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まじめにふまじめに医療を

昨日、elu.jpで@MG_kotaroさんの漫画を購入させていただきました。
「ほんとに医療機関に置くの!?」という声がちらほらあったので、実はまじめに考えていますよー、という話を少ししておきたいと思います。

医療は聖域か

医療は命に関わる分野であり、多くの場面では人にとって「不幸」な場面をつながります。そのため、「不謹慎」「〜〜な人のことを考えろ」「縁起でもない」ということが言われやすいです。

フラットに医療を語りにくのが現状です。
医療のことを語れるのは専門職かその病気の経験者だけ、ですし、その内容も眉間にシワを寄せながら話すことばかりです。

しかし「医療の主役は誰か」というと、全員が自分の体の主役です。堅苦しい話をしたくない人も、ギャグ漫画が好きな人も医療の主役です。
今は、さまざまな「忖度」をすることで医療がガチガチに動けなくなり、主役である多くの人から遠ざかってしまっています。

今の医療が抱える大きな問題点の一つはここにあると思っています。
当院の5つあるポリシーの1つは「ポジティブに医療を」というものです。
まだまだ試行錯誤中ですが、「今日は病院の日♪」という世界線があってもいいと思います。
そのため「医療」という場に、ギャグ漫画は入ってきてもいい、というよりむしろ入ってきた方がいいと考えています。

ちなみに、医療者側にこそ医療は『真面目』にする必要があると刷り込まれています。
うちのスタッフも真面目な人が多いので、「靴の色は自由です」というだけでも驚く人もいます。
実は靴の色は白色か黒色だけ、という病院が多いからです。
ただ、緑色の靴を履いていても誰も困りません。
医療者の側からも意識を変えていく必要があります。

と色々言いましたが、簡単にいうと、「医療でもみんな楽しくやっていきましょうよ」ということです。

医学的にもギャグがよいのでは

もう少し付け加えると。
今回購入させていただいた一コマはワクチン接種の場に掲示します。
(またどんな感じが紹介できればなーと思っています)

当院ではワクチン接種を12歳以上から対応しています。
そして、若年層では「迷走神経反射」いわゆる貧血が起きやすいです。
(実は医学的な「貧血」とこの一般的な「貧血」が全く違う状態を指すのが医療現場で少しややこしいのですが。)

簡単に迷走神経反射の説明をすると、針を刺す刺激やストレスなどで、一時的に血圧が下がってしまうことです。血圧が下がると、体が反応して気分が悪くなったり冷や汗が出たり、意識を失ったりしてしまいます。
(ちなみに寒暖差でも起きやすく、ぼく自身中学生のころ冬場の満員電車で年に1回ぐらい起こしてました)

この迷走神経反射は緊張している方が起きやすいです。
そして、10代の子たちは多くの子が緊張してワクチンを受けにきます。緊張をほぐすために、「緊張してますか?」と聞くと「きんちょうしてます。」と笑いながら答えてくれることがほとんどです。
医学的にも緊張をほぐすことは重要なのですが、なかなか緊張しないようにと言って緊張しないようにはできません。

ということで、今回のこの一コマを接種するところに掲示することで、緊張はほぐれると思います。
そうすると迷走神経反射が起きにくくなり、より安全にワクチン接種をすることが可能と考えています。


ということで、思想的にも医学的にも医療機関にギャグ漫画を掲示するのは良いことだと思いますよ、というお話でした。


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