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座談会の感想②

《はじめに》

 前回と同様に、座談会「中村哲先生のスピリットを継承する」に参加した学生の感想を共有していきます。これらは九州大学の大学生が中心となっている団体「哲縁会」の学生が書いた感想になります。これまでに、アジアウイークにて開催された中村哲先生の想いを繋ぐ会、九州大学中央図書館メモリアルアーカイブの設立、記念講座のTA/受講生などに様々な形で携わってきた学生です。

《学生の感想》

①Nさん(九州大学文学部)

 今回の座談会で、実際に中村哲先生とのかかわりを持っていた方とのお話が出来、その方々から見た中村哲先生のいろんなエピソードに触れられたことが大きな収穫の一つでありました。その一方で、その分私には何が出来るのだろう、という思いが強くなったように思われます。というのも、そのエピソードたちから、どこか「あの中村哲先生って実はこういった方だったんだよ」というメッセージを感じてしまい、「偉人の中村哲先生」と「一人の人間としての中村哲先生」がわかれているように感じたためです。 これからもし、中村哲先生について考える際、伝える際、「こんなすごい方をした方だったけど、日常ではこういった面白い面もあったんだ」(あるいはその逆も然り)といった捉え方は、逆説用法でふたつの中村先生エピソードを繋いでいるために、私が中村哲先生を二面的に考えている気がしてしまっています(このエピソードでは偉人の哲先生、このエピソードでは日常の哲先生、など)。本当に、そのような二面性のある方だったのでしょうか…?ベースは変化していない中村哲先生、というイメージも今の私の叙述では中村哲先生の全体で見れば部分的なものだと感じてしまいました。みなさんは等身大の中村哲をどのように捉えられたのか、とても気になりました。

②Yくん(九州大学芸術工学部)

 座談会の中で出た「哲先生の言葉は難しいが、本を何度も掘り進めるとなんだか自分の質問に答えてくれる感じがする。」という感じ方が今の私にも合っているように思えました。行動から直接生まれた言葉は、自分の考えを整理し、進む方向を示してくれる、そんな気がします。 座談会参加前は、実際に哲先生に直接お会いしたことのない私が、本を読んでその想いを拡大解釈して捉えてしまうことに対して不安を感じていました。しかし、座談会を終えて、今本を読んで感じることと次に読んだときに感じることとは違うかもしれない、それなら、自分の解釈を受け止めようと思うようになりました。

③Tさん(九州大学生物資源環境科学府)

 中村哲先生と直接関わってこられた方々の言葉を伺える貴重な機会でした。印象的だったのは、中村先生は大きなことを成すためではなく、愚直に信じたことをされていたこと、そして、決して完璧な人ではなく、不器用なところもあったことです。先生がなされたことや言葉を知り、学んでいる私たちは次世代に何を伝え、私たち自身は何をするのか、改めて考えて意見交換を続けたいと思います。

《最後に》

 いかがだったでしょうか。この座談会の詳細については九州大学中村哲著述アーカイブで閲覧できるようになる予定です。また、本noteでは「中村哲先生の志を次世代に継承する九大プロジェクト」に関わる学生の活動を報告していきます。現在は、夏学期(6~8月)に開催される中村哲記念講座に向けて準備を進めています。次回の投稿をお楽しみに。


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