座談会の感想①
《はじめに》
前回の投稿にあるように座談会「中村哲先生のスピリットを継承する」に参加した学生の感想を共有していきます。これらは九州大学の大学生が中心となっている団体「哲縁会」の学生が書いた感想になります。これまでに、アジアウイークにて開催された中村哲先生の想いを繋ぐ会、九州大学中央図書館メモリアルアーカイブの設立、記念講座のTA/受講生などに様々な形で携わってきた学生です。
《学生の感想》
①Kくん(九州大学医学部)
中村先生の人を惹きつける力の凄さを改めて感じる機会だった。宗教も異なる異文化のなかで、これだけ多くの人の信頼を得て、活動を成し遂げてきたのは、先生が偉大な存在でありながらも、物腰の柔らかく接する姿勢があったからだろうと感じた。個人的には座談会の時間外での経験豊富な方々とのお話も非常に有意義で今までにない経験だった。
②Oくん(九州大学共創学部)
本座談会を通して、中村哲先生の等身大の姿がより見えてきたと思います。これまで、私は中村哲先生の生前残されてきた功績を読書会や授業などを通し、その背景などを含めて知ってきました。国際的な人道支援に関心があり憧れていた私にとって知れば知るほど中村先生は遠く、尊敬してもしきれない存在になってきました。しかし、哲縁会(学生団体)では、中村先生の功績を知ることのみが本当に望ましいことなのかとの話もあり、私も同様に感じるようになりました。今回の座談会から等身大の中村哲先生を知り、そして無理に中村先生がされたような大きな功績を遺すことをしようとするのではなく、目の前にいる困った人を助けることや、目の前にあるたとえ小さなことでもすぐに行動できることこそが大事なのではないかとも考えるようになっています。これらの趣旨のことは中村先生も述べられていたことで、今できる「目の前にいる困った人を見捨てない」を実践することをしていきたいと思います。
③Hくん(九州大学医学部)
中村哲先生の想いを繋ぐ活動を続ける中で、神格化されてしまうことへの危惧を持っていました。今回の座談会で村上会長が「近くにいたからこそ尊敬してもし切れない」「気付かれにくいすごさも沢山あった。それを伝えるのが私の役目」と仰っており、自分の感じた凄さを素直に伝えていくことも大切なのだと改めて感じました。そして全体発表の際に、哲先生と直接関わったことのある方々が、「常人には到底できない偉業をなされたことと同時に、お茶目な一面やユーモアのある一面など人間性も伝えていきたい」と口を揃えて仰っていたのを聞き、自分が感じていた素晴らしさはそういう二面性も大いに含まれているなと言語化出来ました。ありがとうございました。
④Tくん(大分大学医学部)
今回の座談会に参加してみての感想ですが、とても楽しくあっという間の時間でした。また、中村哲先生を中心としてこんなにも多くの人が集まるという点からも、これほどにも周りの人を惹きつけ慕われていたのかとも感じました。著書で描かれている中村先生から、周りにいた人々から様々な話をしてもらう中で色々な側面を感じ取ることができたと思います。この繋がりを大切にしながら、定期的にこのような会が行われることを楽しみにしています。
《最後に》
今回は4名の学生の感想を共有しました。中村哲先生の事を心から尊敬し、身近で見てきた方々と直接お話を伺う機会は大変貴重でした。本や映像だけでは中々感じることのできなかった中村哲先生の等身大の様子を知る機会になったと思います。次回も感想を共有しますので、お楽しみに。