腎臓内科ではどんな検査をする?
こんにちは。腎臓内科医のDr.クロシバです。
前回は健康診断の腎機能が正常でも将来透析になる方がおり、尿検査が異常なら腎機能が正常でも精査が必要というお話しをさせていただきました。
とは言え、実際の腎臓内科外来を紹介受診される方は、必要以上に緊張されていることが多く、いいイメージを持たれていない印象を受けます。
事前にどんな検査が行なわれるか分かれば、少しは安心していただけるのではと思い、今回は腎臓内科での検査について解説することにしました。
結論から申し上げますと、採血の量がちょっと多い健康診断程度の内容なので、気楽に読み進めていただければ幸いです。
① 採血検査
腎臓内科の外来でつらい検査があるとしたら、おそらく採血だけです。
しかし、採血の量がやや多いこと以外は通常の採血と同じです。
腎臓は生活習慣病、感染症、自己免疫の病気、血液の病気など多彩な原因で悪くなるため、採血の量がどうしても多くなりますが、多くても献血の5分の1未満の量です。
② 尿検査
尿検査は自然に出たおしっこを検査に出すだけです。針や管を体に入れられることはまずありません。
尿を採るタイミングは起床時に事前に採る、受診時に採る、1日分を貯めるなど、病院によって異なりますが、予約時に指示がなければそのまま受診してOKです。
ただし、尿が緊張で出づらくなったり、検査直前に出し切って困ったりすることもあるので、ほどよく貯めた状態で受診するのがお勧めです。
尿は隠れている腎臓病によって多彩な異常が出てくるので、腎臓内科では最も重要な検査です。
③ 画像検査
超音波検査、CT検査、MRI検査などで腎臓の形を調べます。
どれも痛みのない検査で、ベッドで横になっていれば終わります。
腎臓の形が分からないと診断できない腎臓病もあり、欠かせない検査です。
④ その他
レントゲン写真や心電図といった基本的な検査や、腎臓病と関連がある持病の検査も行われることがあります。
検査後の流れ
病院によって行なわれる検査は若干違いますが、だいたいは上記の内容で終わることがほとんどです。
検査結果が全て判明するのに1週間ほどかかるため、最終的な評価は後日下されることになります。
多くの方は生活習慣病や加齢による腎臓病と診断され、食事と生活の指導や薬剤の調整が行なわれます。
腎炎などの腎臓病が疑われる場合は、腎生検(入院して腎臓の一部を採る検査)を行なうかどうか相談することになります。
まとめ
腎臓内科の多くは大病院の中にあるため、初めて受診する時に緊張してしまうのは当然だと思います。
ですが、健康診断に毛が生えた程度の検査だと思えば、少しは気が楽になるのではないでしょうか?
私は明日も腎臓内科の外来で、腎臓病の診断はもちろん、心の不安も最大限取り除けるよう努力しながら、患者さんをお待ちしております。
次回は腎臓の検査結果の見方をお話しさせていただこうと思います。
腎臓の検査結果は項目がたくさんあって、どこをどう見れば良いのか、非常に分かりづらいです。
どなたでも自分の腎臓の状態が把握できるように、ポイントを絞って解説いたします。
おまけ
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アンバサダーに元宝塚の檀れいさんが就任されました。
腎臓病に興味を持たれた方は、ぜひご覧ください。
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