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宿日直許可制度の悪用は昔からある
こんにちは、Dr.K(ドクターコージ)です。
「医師の働き方改革」が行われると話題になって、しばらく経ちましたが、現場ではほとんど改革は行われていない様です。
【参考記事】
夜間帯に病棟患者の急変や救急外来に来た人に対応する様な場合、「当直勤務」を行います。
日勤帯と同じ様な勤務内容が想定されており、仮眠を1-2時間程度取ることが認められています。
一方で労働基準監督署に申請することで得られる「宿日直許可」があれば、「あっても軽い事務作業程度で、基本的には休んで寝ていられる」と言う扱いにすることが出来るので、勤務時間に入れる必要が無いと言うことで、基本的には救急車対応をしない、高齢者が長期入院してる様な療養型病院などが想定されている制度です。
ところが、労基署は申請があれば実情を確認することなく「宿日直許可」を出すことから、救急車対応を積極的に行う二次救急病院も「宿日直許可」を取った上で、常勤医師の当直業務は勤務時間に入れる必要は無い、と言う理論を使って、時間外労働時間に対する給与を最低限にする、と言う手法が、以前から一部の病院で行われていましたが、最近この許可を取得する病院が急増しているそうです。
少なくとも労働基準監督署が、「二次救急病院が宿日直許可を申請すると言うのは、一体どう言うことだ?」と疑問を持って、直前半年の業務実態を確認するとかすれば、簡単に宿日直と言う業務とかけ離れた夜間業務が求められる救急病院が申請してることくらい、見抜けるはずなんですよね。
「勤務実態が宿日直許可と乖離した内容である場合、申請病院は3ヶ月の医業停止とする」くらいの罰則を設けても良いと思いますし、「確認なく宿日直許可を発行した労働基準監督署署長は、解雇、公職追放とする」くらいのことをしても良いとすら思います。
政府も労働基準監督署も、本気で医師の労働環境を改革する意思は無さそうですね。