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「刺股(さすまた)ブーム」への警鐘

こんにちは、Dr.K(ドクターコージ)です。

東京都台東区の宝石店にて起きた強盗未遂事件において、店員が刺股を用いて暴漢を撃退した事から、メーカーや防犯グッズ販売店に対して、刺股の問い合わせが殺到していると言います。

話題になったこの事件においては、刺股が有効だったと言う訳では無く、店員の行動が暴漢を追い払ったと言うだけのことなんですよね。本来の刺股の使い方では無かったという事で、苦言を呈された「専門家」の方も居たようです。

訓練動画などでは、刺股があれば犯人から距離を取り警察が来るまでの時間稼ぎが出来る様な情報もあります。

自治体が作成した適切な使い方の指導動画などもあります。

しかし訓練動画にせよ指導動画にせよ、犯人役が本気で抵抗していないので、刺股の弱点があまり分かりません。

警察OBの方や自衛隊などに格闘訓練をしているプロが、刺股が実用的では無いと言うことを実証して、実用的な使い方を提案する動画は、刺股に興味がある人は見ておいた方が良いと思います。

刺股と言うとU字部分を横にしないといけないと言う固定観念も危ないですよね。動画にある様に、縦にして突くのが有効な場合がある、と知っているだけでもかなり違いますし、プロの結論としても、今回の店員の様に、相手が反撃の意思を喪うまでタコ殴りにする様な使い方をしない限り、本気の相手を制圧するのは難しいと仰っていたので、店員さんはこの様な動画を見ていたのでは?と言う話もあったりします。

加えて体格差がある相手に対して、刺股が如何に使い物にならないか、そして効果的に抑え込むには、複数方向から何処を狙えば良いか、と言うところをエンターテイメントを交えながら実演してくれている動画も、かなり参考になると思います。

刺股は「素人が暴漢を簡単に抑え込める」と言う道具では無いと言うことを認識した上で、あらかじめどの様に使うのが効果的なのか、掴まれたりしたらどうすれば良いのか、などの知識が無いと、むしろ利用者が危険になりかねない道具ですし、人員や練度などによっては、他の防犯グッズの方が効果的なこともあるので、ブームに乗って設置するのでは無く、
・設置場所に刺股は適切なのか
・制圧の為に複数人で扱う訓練を定期的に出来るか
などについて検討した上で、
適切な防犯用具を導入する様にしましょう。

上でご紹介した警察OBの方も、改めて刺股の限界について解説した動画をアップされてますので、見ておかれると良いと思います。

単純に「刺股スゲ〜」と言うノリで導入してしまい、暴漢に返り討ちにあい、犠牲者が出てしまう様なことにならないことを祈るばかりです。

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