Charlie Dore – Listen! (1981)
Charlie Doreのセカンド・アルバム『Listen!』には、Steve LukatherやMike & Jeff Porcaro兄弟をはじめとするTotoのメンバーがこぞって参加して、彼女のキュートで繊細なボーカルを力強くサポートしている。アイランド・レーベルから発表された前作『Where To Now』はナッシュヴィルの香りただようカントリー・ポップだったが、本作では硬軟を巧みに織り交ぜたAOR作品へと仕上がった。
「Listen! (I Just Want You)」や「Do Me A Favour, Don't」での、単語の一つ一つを強調するDoreの歌い方は、自身の可憐な声質に絶妙にマッチしている。Porcaroたちの演奏も彼女の存在を呑み込み過ぎないラインを的確に見極めたプレイを聴かせているが、ハードな「I'm Over Here」で飛び出すLukatherの鋭いギター・ソロ、なにより「Wise To The Lines」のタイトなアンサンブルを聴くと、やはり本作のバックはTotoなのだと否応なく思い出される。とはいえ、Doreは決して個性の弱いボーカリストなどではないことは、「Don't Say No」のラストで展開する特筆すべきコーラスで理解できるだろう。
80年代は役者として活躍したDoreは、84年にSheena Eastonに提供した「Strut」でソング・ライターとして脚光を浴びた。90年代にはJimmy Nailの「Ain't No Doubt」のNo.1ヒットにも貢献している