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The James Cotton Band – 100% Cotton (1974)
James Cottonの『100% Cotton』がいかに変わった作品だったかを知るなら、Otis Spannの『The Blues Never Die!』や『Chicago / The Blues / Today!』の第2集と聴き比べてみることだ。これらはいずれもアルバム・デビュー以前のCottonが60年代の半ばに参加した重要な作品で、『100% Cotton』ではその中に収録されている「One More Mile To Go」や「Rocket 88」といったなじみ深いトラックを、70年代らしい性急なビートで換骨奪胎している。
果敢な本作のMVPはギタリストのMatt Murphyだ。彼は「One More Mile」の驚くべきアレンジや、16ビートのファンキー・ブルース「Burner」の作曲などで多大な貢献をもたらしている。ドラムのKenny JohnsonとベースのCharles Calmeseは以降のCotton Bandにおける要となったリズム隊で、これらのイメージで本作はファンクのアルバムだと思われがちだが、それは正確とは言い難い。冒頭の「Boogie Thing」はあくまでも伝統的なブギーのリズムを保っているし、「'Fatuation」などはBobby "Blue" Bland風に歌い上げるストレートなソウル・ナンバーだ。「How Long Can A Fool Go Wrong」では、貫禄のあるシカゴ・スタイルのハープとJohnsonのタイトなリズムとの融合を図っている。重要なのは、いずれのトラックでもそれまでのCottonになかったスタイルが実践されているということだ。
『100% Cotton』は70年代以降のCotton Bandの方向性を決定づけ、続く『High Energy』はさらにファンク色が強まり、ライブでは本作のレパートリーがヘビーローテーションされている。