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Homesick James – Blues On The South Side (1965)

 本作は"Homesick James" Williamsonの魅力があますことなく詰めこまれたアルバムであると同時に、Samuel B. Chartersのブルース研究家としての慧眼が最大限に発揮された一枚ともいえる。Williamsonが1963年にUSAというレーベルから出した「Crossroads」を聴いたChartersは、彼の見事なスライド・ギターにたちまち惚れ込み、当時ジャズ・レーベルとして有名だったプレスティッジから彼のリーダー作を出そうと考えた。レコーディングにはUSAの録音にも参加したピアニストLafayette LeakeやドラマーのClifton Jamesらが顔をそろえている。個性の塊ともいえるWilliamsonのギターと、シカゴ・ブルースの屋台骨である盤石なバックが合わさればまさに怖いものなし、といった具合だ。
 彼の親戚でもあるElmore Jamesのナンバー「Gotta Move」はスタジオとライブを問わず何度も吹き込まれた定番曲で、ホーンが加わっていないぶん本作のテイクはオリジナルよりもダウン・ホームな仕上がりだ。「The Cloud Is Crying」にいたってはブルース・ファンなら苦笑いしそうなタイトルではあるものの、風変わりなスライドの音色には思わず聴き入ってしまう。
 ホームシックの名を冠した2曲はアルバムの中でも特に印象的だが、やはり注目すべきは本作でもRobert Johnsonによるデルタ・ブルースのクラシック「Stones In My Passway」が取り上げられていることで、まるでたたきつけるようなギターのサウンドと情念に満ちたエモーショナルな歌声の迫力はすさまじいの一言だ。