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George "Mojo" Buford – Mojo Buford's Chicago Blues Summit (1979)

 George Bufordは人望のある男だ。空白期間こそあれ、Muddy Waters Bandのハーピストとして50年代から晩年までWatersのキャリア、ひいてはシカゴ・モダン・ブルースの伝統を支え続けてきた彼のソロ・アルバムには、一流のサイドマンたちが顔をそろえている。マイナー・レーベルからのイシューながらブルース・ファンに長年愛されてきた真の名盤だ。
 かつて60年代に発表され、その強烈なサウンドが印象的だったシングル曲の「Deep Sea Diver」は、本作ではSamuel Lawhornのギターを中心としたパワフルなスロー・ブルースになっている。80年代のJSPレーベル盤にも収録された彼の代表曲である。本作はギタリストにも的確にスポットを当てており、「Blues For Georgia Boy」はなんと四つどもえのセッションが繰り広げられている。CD盤では「Sammy's Shuffle」と「Sonny's Blues」といったギター・ナンバーが追加された。
 「I Need You So Bad」や「Mean Old World」のようなスタンダードも魅力的だ。特に後者はAaron "T-Bone" Walkerによるテキサス・ギターの原曲を、シカゴ流の味付けになんとも自然にアレンジしてみせる。極めつけは「Watch Dog」で、矢継ぎ早に繰り出されるブロウはこれぞLittle Walter以来のプレイヤーによる面目躍如といった趣である。