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Keef Hartley Band – Halfbreed (1969)

 Jon Hisemanと交代するまで、The BluesbreakersのメンバーとしてJohn Mayallから大きな信頼を置かれていた名ドラマーKeef Hartleyは、68年からソロ活動を本格的に始動している。その成果として挙げられるのが実験的ブルース・アルバム『Halfbreed』と、翌年夏のウッドストック・フェスティヴァルへの出演だ。Hartleyは、同時期のMayallがブルースを引き算で模索していたのと対照的に、バンドに迫力のあるホーン・セクションを導入することで、ジャズ風の白熱したセッションを目指した。
 後にUriah HeepのメンバーとなるGary Thainや、英国スワンプの大物Miller Andersonが参加していることでも有名で、この二人はHartleyの骨太なサウンドに大きく貢献している。Andersonのボーカルで「Sinnin' For You」はソウルに満ちた曲に仕上がっているし、戦前から続くブルースの名作をアレンジした「Leavin' Trunk」のビートはたまらないほどファンキーだ。もともとは「Milk Cow Blues」のタイトルでSleepy John Estesが歌ったものだが、この特徴的なリフはTaj Mahalの68年のデビュー作で大きく広まった。
 哀愁のあるブラスが印象的なスロー・ブルース曲「Too Much Thinking」にはMayallもボーカルで参加している。フィドルやフルートの音色も飛び出す貪欲でダイナミックな演奏もさることながら、アシッド・ファンク風の「Think It Over」やダウナーな「Sinnin' For You」で聴かれるIan Cruickshankのギターに、ブルースマン的な職人気質を感じてしまうリスナーもいるはずだ。
 ウッドストックのステージでは本作のナンバーが組曲のように演奏された。映像として残っていないのは全く残念である。