The Love Generation – Montage (1968)
6人組のボーカル・グループThe Love Generationは、John & Tom Bahlerの兄弟を中心に、Marilyn MillerとAnn Whiteの女声を交えたコーラス・ワークで注目され、その豊かで爽やかなポップ性はしばしばThe Mamas And The Papasと比較された。ほとんどのメンバーが脱退した状態で制作された『Montage』は、実質的にはBahler兄弟名義のアルバムといえる。しかし、そのサウンドのみずみずしさと心地よいサイケデリアをもって、サンシャイン・ポップの永遠の名盤と呼ぶにふさわしい一枚であることに変わりはない。
チェンバロのメロディを用いた「Montage From How Sweet It Is」(作者はJimmy Webb)とカントリー風に仕上がっている「Love And Sunshine」はイントロこそ対照的だが、いずれも素朴なサウンドからゴージャスなストリングスへ展開する構成が印象に残る。彼らにしては珍しい疾走感のあるロック「The Pill」、異様な陽気さをたたえたポップ・チューン「Candy」。中でも素晴らしいのがグルーヴィーなベースとオーケストラが融合した「Love Is A Rainy Sunday」や、Tom自身が実に見事なアレンジを施した「Magic Land」である。以前のアルバムと重複するナンバーも多く、アルバムを締めくくる「Consciousness Expansion」などは、本作のバージョンではビートがより強調されているものの、爆弾の轟音を轟かせる象徴的なラストは変わらず残されている。
The Love Generationのメンバーは70年代以降、いくつかの作品でコーラスなどでクレジットされているが、特に成功したのは弟のTomで、彼はQuincy Jonesや80年代のMichael Jackson関連の仕事で世界的な名声を得た。