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The Who – My Generation (1965)

 青年の鬱屈した悩みを映した言葉の数々と、それに反比例するような粗野でストレートなサウンド。先達への憧れと、ロンドンっ子らしい不遜な態度。The Whoの『My Generation』には、ロック・バンドの処女作が持つべきあらゆる要素が詰め込まれている。
 The High Numbers名義で出したシングルが不発に終わった後、メンバー間のトラブルやビジネス上のゴタゴタをなんとか乗り越えて、彼らは「I Can't Explain」のようなヒット・ナンバーを生んだ。不満を抱えながらも完成した本アルバムは特に売れた「My Generation」を目玉に据えているが、それは当然のことだろう。Roger Daltreyの特徴的な歌い方(怒りの表現とも薬物中毒者特有のしゃべりを模しているともいわれている)と、John Entwistleの画期的なベース・ソロをフィーチャーしたこの歌はロックの象徴とも言うべき一曲となり、現在でもライブで歌われ続けている。Pete Townshendが「The Kids Are Alright」の歌詞で描いた苦しみの深さも印象的で、70年代の後期には同名のドキュメンタリー映画が製作された。
 James Brownのカバー曲はいずれも素晴らしい出来だが、ピアノで参加したNicky HopkinsのプレイとKeith Moonの爆発的なドラムが一段と際立っているのは、ブルースの名曲「I'm A Man」や説明不要のインスト・ナンバー「The Ox」である。