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Livingston Taylor – There You Are Again (2006)

 Livingston Taylorのスタジオ・アルバムとしては9年ぶりの新作となった『There You Are Again』には、Carly SimonやJames & Kate Taylorといったゆかりの顔ぶれをむかえつつも、復活作らしい意欲的な試みがいくつも盛り込まれている。Livは本作を単純なフォーク・アルバムには仕上げようとせず、Take 6による美しいゴスペルのコーラス、そしてGary BurtonやSteve Gaddのようなジャズ畑の実力派を迎え、サウンドには深い味わいと奥行きが生まれた。
 バラードの「There I'll Be」は何人ものミュージシャンが参加していながら、その抑制されたアレンジによってLivの歌声が持つ持ち味が十二分に発揮されている。アップ・テンポで喜びに満ちた「Yes」では陽気なブラスとゴスペル風のコーラスがフィーチャーされているが、宗教音楽としてより研ぎ澄まされているのは「Tell Jesus (To Come To My House)」で、このナンバーははLivとTake 6だけの完全なアカペラで構成されている。
 「Tuesday's Lullaby」はDavid SanbornのサックスとBurtonのヴァイブがサポートし、リッチな雰囲気のスムース・ジャズを構成している。「Wish I Were A Cowboy」ではLivはピュアな思索にふけり、「You're The Boss Of Me」はChris Rodriguezの素晴らしいドブロをフィーチャーして、この豪華な祝祭のようなアルバムを締めくくっている。