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The Brunning Sunflower Band – Trackside Blues (1969)

 初期のFleetwood MacにおけるベーシストBob Brunningの役割は、John McVieがThe Bluesbreakersを離れるまでの代役に過ぎなかった。だがPeter Greenは義理堅い男で、Brunningがピアニスト〈Sunflower〉ことBob Hallと共に立ち上げたBrunning Sunflower Bandのセカンド『Trackside Blues』にアンクレジットで参加している。
 本作はGreenのギターによって、前作と比べると大いにブリティッシュ・ロックとしての推進力と緊張感を得た。しかし「Sunflower Shuffle」に聴かれるようなHallの素朴なピアノの音色があるおかげで、本作のサウンドのイメージは、若者の熱狂するマーキー・クラブというよりはシカゴの安酒場の雰囲気につなぎとめられている。「It Takes Time」はOtis Rushによるモダン・ブルースの金字塔だったが、ここではピアノとギターの息の合った掛け合いが聴きものとなっている。
 本作のハイライトとなった「If You Let Me Love You」は張り詰めた空気感を持った見事なスロー・ブルースで、後にGreenもMacのボストン・コンサートで取り上げることになるナンバー。ばっちりとB.B. Kingを意識したギター・プレイがブルース愛好家の心を巧みにくすぐってくるが、一方で「Ah! Soul」や「Closing Hours」のようなファンキー・ブルース志向のナンバーも印象的だ。
 Brunning-HallのコンビとMacメンバーの交流はほかにもある。スパーク・レーベルの企画盤のために結成されたグループTrampにはMick FleetwoodやDanny Kirwanらが参加しており、程よく力の抜けた心地よいセッションを展開している。