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Traffic – Welcome To The Canteen (1971)

 Blind Faithが解体した後に再び集まったTrafficは、Steve Winwood、Jim Capaldi、Chris Woodの3人体制による『John Barleycorn Must Die』で新たなるジャズ・ロックの扉を叩いた。翌年の1971年に行われた英国のコンサート・ツアーにはたびたびグループを抜け出していたDave Masonも復帰し、Blind FaithでWinwoodとプレイしていたベーシストのRick Grechをはじめ、腕利きのプレイヤーたちが多く参加している。結果的に7人の大所帯に膨れ上がったTrafficが残した『Welcome To The Canteen』は、彼らのキャリア中最も豊かで充実したライブ・サウンドを展開している。
 TrafficとSpencer Davis Groupそれぞれのヒット・ナンバーである「Dear Mr. Fantasy」と「Gimme Some Lovin'」は、10分近くにおよぶサイケデリック・ジャムに変化した。特に後者はもともと優れたR&Bナンバーだったものを、Winwoodの持ち味であるソウルフルなオルガンはそのままに、CapaldiとRebop Kwaku Baahのパーカッションを加えてさらにファンキーにアレンジしている。
 他のセットリストを見渡しても「40,000 Headmen」や「Medicated Goo」といった60年代のナンバーが選ばれていることがわかる。それと同時に、Masonのお気に入りのバラード曲「Sad And Deep As You」が、ジャジーで妖しい雰囲気を湛えたWoodのフルートによってしっかりとTrafficの曲らしく仕上がっているという発見もある。
 このメンバーでの公演は、わずか6回しか行われることはなかった。本作がレーベル契約の要件を満たすために録音されたアルバムだったとしても、このサウンドは今も変わらない輝きを放っている。