John Mayall With Eric Clapton – Blues Breakers (1966)
よりルーツに接近したブルースを求めるEric ClaptonはThe Yardbirdsでの活動に早々に見切りをつけてしまった。その後、英国ブルースのゴッドファーザーであるJohn Mayallの下へ赴いたのはなんら不思議なことではなかったが、その蜜月が長く続かなかったことは、多くのブルースファンにとっては残念なことであった。人の出入りが多いMayall一門の中でも特に印象深いリズム隊であるJohn McVieとHughie Flintとともに録音された12曲は、ブルースマンには避けて通れないスタンダードと、Mayallの筆によるオリジナル曲によって構成されている。
Peter Chatman、つまりピアノブルースの巨人であるMemphis Slimによるブギー曲「Steppin' Out」はCreamでの演奏の雛形とも言える見事なギターロックに姿を変えた。一方「What'd I Say」や「Have You Heard」ではサックスやオルガンが光っており、特に後者はオリジナルだが伝統に忠実なスローブルースだ。サックスのAlan Skidmoreは後にブルーホライゾンなどのセッションに参加し、英国ブルースやプログレを支えるプレイヤーとなる。バリトンを担当したJohnny Almondによるその後のMark-Almondでの活躍は言わずもがなだろう。
本作の後ClaptonはMayallと袂を分かち、さらなるストイックな音楽を探求するためにGraham Bondのリズム隊ですでに有名だったJack Bruce、Ginger Bakerの二人とCreamを結成する。サイケの波を上手く乗りこなしつつ、本作とはまた違った形でブルースを追求していった。一方Blues Brakersの後釜にはFleetwood MacのギタリストPeter Greenが収まることになる。