Top Topham – Ascension Heights (1970)
Alan SkidmoreやJohn Marshall、そしてDuster Bennettといった英国ブルースの〈裏オールスター〉がこぞって参加したTop Tophamのソロ作品『Ascension Heights』は、ロンドン育ちのいち青年が愛した、あらゆる音楽のジャンルが入りまじる至福の一枚だ。
15歳の時に〈若すぎる〉という理由でThe Yardbirdsのギタリストの座をEric Claptonに譲ったTophamは、その後John DummerやBennettらと活動をした。プロとして音源が形になったのは、68年に発表されたクリスマス向けのシングルだった。Tophamとは学生の頃から交流があったChristine Perfectがソロ・アルバムを出す際、そのレコーディングに参加するかたわら同時進行的に制作されたのがこの『Ascension Heights』である。
Bo Diddleyを思わせるピック・スクラッチのノイズで幕を開ける本作は、泥臭いブルースにこだわらずカントリーやジャズにも彼の愛情が向けられている。どこかAlbert King風の「Mini-Minor-Mo」、陽気なファンクの「Funks Elegy」、メロディの美しさを追求する「Ascension Heights」と実に多彩だ。
ブルー・ホライゾン一派らしい曲もある。「Globetrottin'」はFleetwood Macの「Albatross」に似た、サイケとは一味違う独特の浮遊感を湛えている。「Ridin' The Blinds」はBennettのハープを交えたシンプルなジャムだが、それも却って滋味深い。「How Sweet It Is (To Be Loved By You)」では名手Pete Wingfieldのピアノとホーン隊が加わり、気楽でにぎやかな盛り上がりを見せる。
ギター・インストで統一された作品なのに『Ascension Heights』がかくも多彩な印象を与えるのは、Tophamの確かな実力と豊かな音楽の土壌に、ちょっとした遊び心を融合させた結果から来るものである。