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Lee Morgan – The Cooker (1957)

 早熟なLee Morganが1500番台に残したアルバムには、常に次なる傑作の予感をうかがわせる瞬間があった。弱冠18歳で作り上げた『Indeed!』はもちろんのこと、『Vol. 3』の「I Remember Clifford」では、次代のハード・バップを背負って立つ男としての堂々たる風格さえも、トランペットの音色の中に彼はしっかりと漂わせていた。そして、ファンキー・ジャズ・ブームの到来をThe Jazz Messengersより一歩先んじて告げていたのが『The Cooker』だった。
 本作はバリトン・サックスのPepper Adamsが参加した数少ないブルー・ノート作品でもある。「A Night In Tunisia」では、Adamsの重厚で存在感のあるメロディとMorganの溌溂としたトランペットが見事なコントラストを生み出している。ゆったりとしたラテン風のメイン・テーマから、血管がはちきれんばかりのソロに飛び込んでいく瞬間などは見事の一言だ。
 「New-Ma」でのMorganのファンキーなプレイには、後の名曲「Moanin'」で披露する歴史的ソロのプロト・タイプのようなおもむきがある。だがそれもそのはずで、ここでピアノを弾いているのはBobby Timmonsその人だからだ。Timmonsはシンプルなプレイの中にも確かな熱気をはらませる名人で、若きMorganによるこのオリジナル曲を的確にまとめ上げる役割も果たしている。