![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/166385826/rectangle_large_type_2_56f1fa45d06caea122b2e5d25717619e.png?width=1200)
The Creation – We Are Paintermen (1967)
ビート・バンドが飽和状態になっていた英国を後目に、The Creationはドイツ国内で人気を博した。彼らのオリジナルとしては唯一となる傑作『We Are Paintermen』は、本国イギリスでは発表もされなかった一枚だ。しかし、カルト・アルバムと呼ぶにはその影響力と人気はあまりに大きく、The WhoのPete Townshendのお気に入りだったり、Alan McGeeが自身のレーベルの名前に彼らのバンド名を拝借したことでも知られる。
アメリカのプロデューサーShel Talmyの設立したレーベル〈プラネット〉から放ったデビュー・シングル「Making Time」は、魅力的なメロディとガレージのとげとげしいビート、そしてEddie Phillipsが放つ轟音の弓弾きギターで構成されている。驚くようなギターの奏法は、この曲に影響を受けたJimmy Pageがテレビ番組で再現したことで後に有名になった。
「Cool Jerk」はギグに明け暮れたドイツのツアーで磨かれたタイトなアンサンブルが聴きものである。ほかにも「Making Time」のB面だった「Try And Stop Me」や、クラブ映えを狙ったような「Biff, Bang, Pow」など、PhillipsとKenny Pickettのコンビによる共作ナンバーの冴えがすさまじい。「If I Stay Too Long」や「Painterman」の2曲は実に完成度の高いサイケ・ソングだ。
大きなヒットを生み出さなかったことでオリジナル・バンドは本作のみで解散したが、のちに復活し1996年には新作『Power Surge』を発表した。そのおぜん立てをしたのは、他でもないMcGeeの〈クリエイション・レーベル〉である。