Cuby + Blizzards – Live: Recorded In Concert At The Rheinhalle Dusseldorf (1969)
Cuby + Blizzardsは1967年の『Praise The Blues』でピアノ・ブルースの巨人Eddie Boydとの共演を見事に果たしている。さらに、翌年の春にBlizzardsのコンサートを聴いて感銘を受けたのがイギリスの大御所Alexis Kornerであり、バンドとは連絡をとりあう仲にまでなっていた。彼らは手紙のインクも乾かない68年の11月に、デュッセルドルフにあるトーンハレ・ホールのステージで素晴らしいライブを披露している。
ボーカルのHarry Muskeeが敬愛するJohn Lee Hookerの「Sugar Mama」や、B.B. Kingの「Sweet Little Angel」のように、スタンダードの選曲はブルース・ファンに親しまれているもので一貫している。Eelco Gellingのギターはイントロでは原曲の雰囲気を保ちつつあるが、ジャムが展開するにつれて次第に熱を帯びて個性的なフレーズを放っていく。Muskeeはハスキーなボーカルだけでなくハーピストとしてもまさしく一流だ。
Kornerは「No Way Out」と「Don't Love You Twice」でギターとして参加している。ミキシングのせいもあってかあまり存在感を出しているわけではないものの、Jaap van Eikのベースソロを挿入した前者のややジャズっぽいクールなジャムの雰囲気、そして後者のギター・セッションの盛り上がりは、ヨーロッパのブルースの高まりを感じさせるもので感慨深い。
最後に『Praise The Blues』では披露されなかった(最初のアルバムですでに吹き込んでいた)Boydの名曲「Five Long Years」、そして問答無用のギター・ブルース「Dust My Blues」でレコードは締めくくられる。スロー・ナンバーとロック・バンドとしての激しさの対比も見事で、なんとも豊かな40分間である。