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Creedence Clearwater Revival – Bayou Country (1968)

 Creedence Clearwater Revivalはサイケデリック・ムーブメントの震源地だった西海岸の出身にも拘らず、露骨なサイケ・サウンドで勝負に出ていたのはごく初期のあいだだけだった。中心人物であるJohn Fogertyは50年代のロックンロールをルーツにしながら、強烈なボーカルと南部っぽい泥臭さを巧みにブレンドしたソング・ライティングを展開することができた。
 「Proud Mary」はバンドにとって最初のヒットとなったナンバーで、ミシシッピの河を豪快に進む蒸気船のことを歌っている。Fogertyはこういった南部人の誇りや伝統を肌で感じて育ってきたわけではないものの、サウンドにはソウル・ミュージックの要素がさりげなく練りこまれており、実際Ike & Tina Turnerをはじめとした多くのアーティストがこの曲をカバーしたがった。
 このLPはほとんどFogertyのオリジナルで埋め尽くされているが、「Good Golly Miss Molly」はLittle Richardによる古典のカバーである。アレンジは比較的ストレートだが、それゆえに彼のボーカルの力づよさと個性が際立つ。ライブのオープニングの定番となった「Born On The Bayou」や、コンサートでの自由な長尺のジャムを再現したような「Keep On Chooglin'」。バンドとしての特色はこのセカンド・アルバムでほぼ完璧な形で提示されており、アメリカのビルボード・チャートで7位を記録している。