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Mark Naftalin's Blue Monday Party (1981)

 Paul Butterfield Blues Bandに加入する前からパーティーの虫だったピアニストMark Naftalinは、シカゴから西海岸に活動の拠点を移すと、毎週多彩なミュージシャンをゲストに迎えたコンサートを主催するようになった。〈ブルー・マンデイ・パーティー〉と題してラジオ中継もされたこのライブは、ベイエリアでカルト的な人気を誇るようになり、82年にはビルボード・ラジオ賞を受賞している。本作は81年の〈スリーピング・レディ・カフェ〉におけるステージの様子をフィルムに収めた歴史的なビデオだ。
 第一部にはLowell Fulsonが登場し、名曲「You're Gonna Miss Me」やレアなファンク・ナンバー「The Thing」を聴かせる。The Ikettesのメンバーとして知られるEsther Jonesによるパワフルなコーラスや、晩年のPercy Mayfieldのジャジーな雰囲気に満ちたステージもまた心に残る。特に後半ではNaftalinのブルーなピアノが聴きものだ。
 第二部はうって変わってシカゴのキケンな香りが漂っている。「Help Me」を歌うCharlie Musselwhiteの貫禄、太いベースを奏でるHenry Odenのやさぐれた佇まいと日系の職人ギタリストBobby Murrayの若き姿、なんといっても名人Luther Tuckerお得意のトレモロが生む興奮はどうだろう!
 観客の熱狂はブルース・ドラムの巨人Francis Clayと、大物John Lee Hookerの登場で最高潮に達する。スローな「Worried Life Blues」を聴けば、Muddy Watersのニューポート・ライブを支えたあのメロディアスなClayのドラミングが健在であることがよくわかる。「Voodoo Woman」は真骨頂のブギー・ナンバーで、興奮したHookerは立ち上がって観客たちを煽りまくっていく。
 Naftalinはソロになってから今に至るまでリーダー作は録音していない。だからこそこのビデオは彼の貴重な作品の一つであり、またブルースの歴史における最高級のレガシーでもあるのだ。