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自転車を買う,乗る,楽しむ

京都大学正門前の東一条通は,毎年4月になると,「中国かよ!」と言われるほど,通学する学生の自転車で埋め尽くされる.悲しいことに,2020年はCOVID-19の影響で,自転車どころか学生がほとんどいない.

多くの学生が生活のために自転車を入手する.そのほとんどはシティーサイクルだ.シティーサイクル(ママチャリ)は実によくできた自転車で,通学,通勤,買い物など,日常生活の中でとにかく役に立つ.このシティーサイクル文化は日本独自のもので,海外ではまず見掛けることがない.

例えば,ノルウェーのNTNU(ノルウェー科学技術大学)では,駐輪場に駐めてある自転車はほとんどがマウンテンバイクやクロスバイクだった.みんな太いタイヤを履いている.

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スポーツ自転車は楽しい

シティーサイクルを買おうとしている人々に言いたい.本当にそれでいいのかと.確かに,とにかく安く自転車を買おうとするなら,シティーサイクルの中古だろう.新車でも安く買える.そして,日常生活で十分に役に立つ.

しかしだ.自転車はもっともっと楽しめるものだと伝えたい.

ロードバイクやクロスバイクといったスポーツタイプの自転車に乗ると,行動範囲が10倍以上になる.シティーサイクルなら半径数kmの生活圏でしか乗らないだろうが,スポーツタイプなら数十kmのライドは楽勝になる.最初はお尻が痛くなるだろうけど.

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私がこれまでで一日で最も長距離を走ったのは,琵琶湖一周だ.サイクリストはビワイチと呼ぶ.休憩時間も含めて,ぴったり10時間で約203kmを走行した.自転車で200km走るとか言うと,「頭おかしいんじゃないか?」と思われるが,ロードバイクに乗ればわかる.それくらい走れるということが.

なぜ,そんなに走れるのか.それは,とにかく軽いからだ.平地でいったん速度が出てしまえば,頑張って漕ぐ必要はない.軽くペダルを回していれば,どんどん進む.

ビワイチ以外でも,北海道の地平線まで続く直線道路を走ったり,山口県のカルスト台地を駆け抜けたり,淡路島を一周したり,ジロ・デ・種子島(種子島一周)に参加したり,ツール・ド・東北(気仙沼から石巻まで)に参加したり,サイクリングしまなみ(自動車専用道路を走れる)に参加したり,各地でサイクリングを楽しんでいる.

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スポーツ自転車は凄い

そんな私は,是非とも,もっと多くの人にサイクリングの楽しさを知って欲しい.とりあえずシティーサイクルではなく,ロードバイク,クロスバイク,マウンテンバイクなどに目を向けて欲しい.

もちろん私も最初からロードバイクに乗っていたわけではない.運動不足解消に自転車通勤をしようと思い立ち,興味本位で「サイクルモード」という自転車イベントに参加したのがキッカケだった.そこで,生まれて初めて,ロードバイク,それも超高級ロードバイクに試乗して,衝撃を受けた.

「これが同じ自転車か!」と.

慎重に吟味して,最初にGIOSのクロスバイクを購入した.GIOSブルーと呼ばれる鮮やかな青色のフレームが特徴のクロスバイクだ.その後,もっと速く走りたい(原チャリに負けるのが気に食わない)という理由で,RIDLEYのロードバイクを購入した.RIDLEYは自転車王国ベルギーのメーカーだ.今も,愛車RIDLEY FENIX SL 2016で駆け回っている.

サイクルモードのようなイベントに参加しなくても,専門の自転車屋さんに行けば,試乗もできる.とにかく,一度経験してみて欲しい.

スポーツ自転車の選び方

ロードバイクやクロスバイクに興味を持った人が最初にぶつかる問題が「どうやって選ぶか」だ.有名メーカーのウェブサイトを覗いてみると,たかが自転車のくせに1台100万を軽く超える.

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これらはプロ選手が乗っている自転車で,いきなりこんな高級車を買う必要はない.最初に乗ってみるなら,10万円前後ので十分だ.ただし,あまりに安いのはお勧めできない.見た目はロードバイクやクロスバイクであっても,自転車が重すぎて軽快に走れなかったりする.それではスポーツバイクを選ぶ意味がない.折角なら,気持ちいいサイクリングを楽しめる自転車を選んで欲しい.

注意事項

スポーツバイクは最高に楽しいが,購入するときに,いくつか注意すべきことがある.

バイクだけでなく,ペダル,ライト,カギ,ヘルメット,空気入れ,タイヤ(パンクしたとき用),さらに必要に応じて,スタンド,カゴ,などが必要になる.これらの費用も考慮して,自転車を選ぼう.

© 2020 Manabu KANO.

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