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輪行の方法と道具:自転車で旅をしよう

日帰りから2泊3日まで,そこそこ輪行を繰り返してきた結果,自分なりの輪行方法ができあがってきました.その方法や使っている道具について,まとめてみます.これから輪行しようという方や,輪行はしているがもっと良い方法がないかと思っている方の参考になれば嬉しいです.

これまでに輪行でサイクリングした場所としては,北海道(札幌周辺),青森(奥入瀬渓流など),三陸海岸,霞ヶ浦一周,富士山一周,能登半島,丹後半島一周,しまなみ海道とその周辺,山口(カルストロードなど),種子島一周などがあります.電車も飛行機も船もありです.輪行するとロードバイクやクロスバイクでの行動範囲が一気に広がるので,超お勧めです.

遠くに行って走るだけではありません.輪行すると,往復や一周ではない長距離片道サイクリングができます.例えば,京都の自宅から和歌山まで196kmを走って友人の店でカレーを食べて特急で京都に帰るとか,城崎温泉まで177kmを走って温泉に入って特急で京都に帰るとかができるようになります.輪行なし半径100km内でサイクリングしていた人なら,輪行すれば行動範囲が半径200kmに広がります.

まだ輪行をしたことがない人は,是非,挑戦してみて下さい.

なお,輪行で何を重視するかは人によって異なりますし,私自身もまだ改善の余地があると思っているので,ここに書くことを参考にしつつ自分なりの方法を見付けてもらえればと思います.

電車や飛行機に乗る

実際に輪行する前に,輪行のイメージを持つ必要があります.行き先によって,自転車と一緒に乗るのが,電車だったり,バスだったり,飛行機だったり,船やフェリーだったり,様々だと思います.

何に乗るにしても大きな違いはありません.自転車をそのまま持ち込めるサイクルトレインのような特殊ケースを除くと,やるべきことは輪行袋に自転車を収納することです.

ただし,運行会社によって手荷物のルールが異なることに注意して下さい.手荷物の最大サイズが指定されていて,サイズによっては有料になったり,そもそも自転車は積載できないという場合もあります.事前の確認が必要です.

以下,実際に私が輪行したときの例を示しながら,説明します.

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これは山口県の角島大橋や秋吉カルストロードを走りに行ったときの様子です.新幹線輪行ですが,その前後に,路線バスや在来線にも乗りました.荷物は,輪行袋(青色)とサコッシュ(赤色)の2つがすべてです.

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在来線に乗るときは,例えば,このように輪行袋を固定します.あるいは,自分で持っていても構いません.大事なのは,できるだけ一般のお客さんの邪魔にならないように配慮することです.混雑する時間帯は避けるとか,なるべく先頭や最後尾の空いている車両を使うとかしましょう.

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新幹線で指定席を利用する場合,各車両の最後部に設定される特大荷物スペースを予約するのがいいと思います.その他,特急に乗るときなども,最後部の座席を予約・使用して,座席の後ろに自転車を置くことになります.

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飛行機輪行する場合,空港で自転車を預けます.大型の飛行機であれば問題ありませんが,地方路線のプロペラ機など小型機の場合,事前に確認しておくのが無難です.その上で,早めに空港に行って荷物を預けるようにします.

上の写真では,電車輪行と同じペラペラの小型軽量な輪行袋を使用しています.私はこれでトラブルに遭ったことはありませんが,ディレーラーを破損したなどの報告もあるので,頑丈な輪行袋を使うことや,事前に自転車用宅配便でホテルに送っておくなど,十分な検討が必要です.

ちなみに,私は全日空(ANA)でしか輪行した経験がありませんが,非常に丁寧に扱ってもらっていると感じます.以前,青森から大阪へ飛行機輪行したときは,チェックインカウンターを離れて買い物をしているところまで私を探して担当者が来られて,ロードバイクを倒していいか,倒すとしたらどちら側を上向きにしたらいいかなどを確認されました.

輪行袋

初めて輪行するとき,その準備段階で大いに迷うのが,どの輪行袋にするかです.たくさんのメーカーから様々な輪行袋が販売されています.大きな違いとしては,縦置きか横置きかがあります.なお,輪行するときには両輪を外すのが基本です.

私が使っているのは,grunge(グランジ)のキャリーライトという輪行袋です.商品説明には女性用と書かれていて,他の輪行袋(例えば同じメーカーのキャリーとか)と比べると,小型軽量になっています.このため,フレームサイズが大きな自転車だと入らない恐れがあります.

私(身長178cm)のロードバイクはRIDLEY FENIX SL 2016年モデルのSサイズで,トップチューブ長が545です.これでグランジ・キャリーライトに収まります.

どうして,OSTRICH(オーストリッチ)のL-100など,有名で高評価な輪行袋にしなかったかというと,1)軽くて畳むと小さくなる,2)横置きでエンド金具が不要,3)そのおかげで収納が簡単そう,だからです.

横置きのデメリットとしては,床面積が大きくなることが挙げられます.また,飛行機輪行するときは安全のためエンド金具を装着しています.

他の輪行袋を使ったことがないので比較はできませんが,今使っているキャリーライトは2つめで,気に入っています.

輪行で使う道具類

極論すれば,輪行袋さえあれば輪行はできます.前後のホイールを外して輪行袋に自転車を突っ込めば,輪行する条件を満たせます.

しかし,ロードバイクのフレームに傷がつくとか,クロスバイクが汚れるとか,そういうことが当然気になります.そこで,いくつかカバー類が必要になります.加えて,自転車を分解したり組み立てたりするときに,ちょっとした道具を持っていると,快適に作業ができます.

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この写真の上側にあるのがカバー類です.右から順に,黒いのがホイールを収納する袋(前後輪の2つ),チェーンやフロント/リアディレーラーを覆うカバー,スプロケットを覆うカバー,そして,ホイールを固定するゴムバンドです.

写真下側にあるのは,左から,汚れたフレームやチェーンを拭くための不織布,手を汚さないためのビニール手袋,そして,ここまでに紹介したモノを入れておく袋です.

輪行するときだけでなく,普段の自転車掃除にも,日本製紙クレシアのワイプオールを使っています.50枚入りが1000円ほどで,一度使ったら容赦なくゴミ箱に捨てればいいので,とても便利です.サイクリストには定番の人気商品ですね.

輪行するとき,輪行袋の上にロードバイクを置いて,ホイールやチェーンにカバー類を装着した状態が下の写真です.あとは,輪行袋を閉じれば輪行できます.

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サドルバッグなど収納道具

どこかの駅や空港を起点に一周するのであれば,その駅や空港のロッカーに輪行袋などの荷物を預けることもできます.しかし,始点と終点が違う場合には,ロッカーは使えず,自分で荷物を運ばなければなりません.このとき,収納(パッキング)が大事になります.

実は,自分で荷物を運ばず,予め宿泊先に着替えなどの荷物を送っておき,チェックアウト時に不要になった荷物を自宅に送るという方法もあります.この方法だと身軽になれるのが嬉しいですね.費用も考慮して,自分に合った方法を探してみて下さい.

ここでは,私がいつもしているように,自分で荷物を運ぶ場合について説明します.

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これは2泊3日で八戸から奥入瀬渓流・十和田湖を経由して青森まで走ったときの様子です.自転車の後ろ側から,サドルバッグ,トップチューブバッグ,ハンドルバーバッグ(フロントバッグ)をロードバイクに固定してあります.

サドルバッグの中身

荷物を収納する主役は大型のサドルバッグですが,これはライド中は開きません.輪行で私が使っているのは,APIDURAというブランドのEXPEDITION SADDLE PACK 17Lで,超巨大です.輪行袋,輪行道具,パンク修理セット,寒いときに羽織るジレやウインドブレーカーの他に,着替えや靴など(これで寿司屋さんにも行く)も入れてあります.

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お土産を含めて荷物がパンパンのときは,サドルバッグを一度開けると閉めるのに手間がかかる(それに形が崩れる)ので,基本は封印したままです.開けるのは宿でのみ.そのため,この写真には鍵(OTTOLOCK)が写っていますが,サイクリング中は鍵はハンドルバーバッグに入れています.

トップチューブバッグの中身

トップチューブバッグには,モバイルバッテリーとケーブル類が入っています.長時間ライドではスマホやサイコンへの充電が必要になることがあるためです.8時間くらいなら恐らく気にする必要はないでしょう.宿ではコンセントにモバイルバッテリーを繋ぎ,そこからスマホ(iPhone)とサイコン(GARMIN EDGE)とスマートウォッチ(Apple Watch)に同時に充電しています.輪行時はトップチューブバッグにサイコンやライトも入れます.これもAPIDURAです.

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ハンドルバーバッグ

ハンドルバーバッグ(フロントバッグ)には、鍵(OTTOLOCK)と補給食など頻繁に出し入れするものを入れています.このため、開閉のしやすいバッグにしています.以前,横から開閉するタイプ(これもAPIDURA)を使っていましたが,上からモノを出し入れできた方が使いやすいです.買い替えました.

様々な形や大きさのハンドルバーバッグがありますが,どれが良いかは使い方によります.何を入れるか,どのように使うかをイメージして,適切なバッグを選んで下さい.

サドルバッグ,トップチューブバッグ,ハンドルバーバッグの他に,サイクルジャージのバックポケットにもモノを収納できます.私の場合,財布,スマホ,補給食を入れています.状況に応じてウインドブレーカーも.

輪行中の荷物

最初に書いたとおり,輪行中の荷物は,輪行袋とサコッシュの2つがすべてです.輪行袋に自転車と一緒にほとんどの荷物を放り込んでおいて,それとは別に,サコッシュに,ヘルメットやサングラス,車内で読む本,食べ物と飲み物などを入れています.使っているのは,モンベルのサコッシュです.

サコッシュにも色々な種類があります.選ぶときに考慮したいのは,ファスナーの有無(私はなし)やサイズです.特に,肩紐が短すぎると使い物にならないので要注意です.

輪行でサイクリングの範囲を広げよう

今はこんな感じで輪行を楽しんでいます.直近では,京都から金沢まで特急サンダーバードで輪行し,金沢から新高岡まで380kmを2泊3日でサイクリングしました.能登半島一周です.

概ね満足していますが,自転車なしの旅行や出張でも荷物を減らすのが下手で,サドルバッグの重さが半端ないです.ただでさえ登坂が苦手なのに,この荷物の重さのために,ますます登坂がキツくなっています.そこは問題かもしれません.

輪行するとロードバイクやクロスバイクの行動範囲が一気に広がります.

さぁ,輪行して行きたかったところにサイクリングしにいきましょう!

© 2021 Manabu KANO.

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