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「ウイスキーを飲む会」を京都で開催した

2024年6月,フィレンツェで開催された国際会議(ESCAPE-PSE)に参加した後,ベルギーのゲント大学を訪問した.その際に大変お世話になった方に,「帰国したらウイスキーを飲む会をやりましょう!」と約束した.その約束を果たすときが来た.

ウイスキーを飲む会に持ち込んだボトル7本

ウイスキーを飲む会の参加者は主催者の私を含めて5名.自宅から7種類のボトルを持参した.

  1. ザ・マッカラン 12年 シェリーオークカスク
    The MACALLAN Sherry Oak Kask 12 Years Old

  2. グレンモーレンジー ネクタードール
    GLENMORANGIE The Nectar D'or

  3. ジョニーウォーカー ブルーラベル
    JOHNNIE WALKER Blue Label

  4. ボウモア 12年
    BOWMOR Aged 12 Years

  5. ブルックラディ オクトモア 14.3 アイラ・バーレイ
    BRUICHLADDICH OCTOMORE 14.3 Islay Barley

  6. バランタイン 30年
    Ballantine's Aged 30 Years

  7. サントリー 響 ブレンダーズチョイス
    SUNTORY HIBIKI Blender's Choice

ウイスキーを飲む会の最大の目的は,お世話になった方をもてなすことなので,美味しい高級ウイスキーを入れることは決めていた.選んだのは,ジョニーウォーカー ブルーラベルバランタイン 30年だ.その他は,香りと味が個性的で方向性のまったく異なるシングルモルトウイスキーを,自分のコレクション59本の中から選んだ.

ウイスキーを飲む会のために,新たにテイスティンググラス4脚も発注した.自分が普段使っているのはリーデル(RIEDEL)のヴィノム(Vinum)シングル・モルト・ウイスキーだ.これも持参した.

新たに購入したテイスティンググラス

ウイスキーを飲み慣れているメンバーではないので,どう飲んでもらうかを色々と考えて,ウイスキーの歴史,分類,製造方法などを簡単に解説した後,テイスティングの仕方を説明し,それぞれの蒸留所とボトルを紹介してから,飲んでもらうことにした.自分の経験上,単に飲むのではなく,知識を身に付けて飲むとより楽しめるからだ.

というわけで,「ウイスキーを飲む会」用に解説スライドを作成した.

「ウイスキーを飲む会」用解説スライド

スコッチウイスキー6種と響を,上記の順番で飲んでもらった.

今回はスコッチウイスキー(SCOTCH WHISKY)で統一するつもりだったが,ジャパニーズウイスキーを飲んでみたいという希望があるかもしれないので,最後にサントリー 響 ブレンダーズチョイスを入れておいた.

最初のウイスキーをどれにするか.これが問題だ.最初に飲むウイスキーがベンチマークになるので,いきなり主力を投入するのは控えるべきだろう.香りや味が強烈なのは後にした方がいいだろう.重厚なものより,軽くて飲みやすいものがいいだろう.そういうわけで,ザ・マッカラン 12年 シェリーオークカスクを選んだ.シングルモルトのロールスロイス(現行の12年をそう呼べるかについては色々な意見があるだろうが).軽く,フルーティで,飲みやすい.最初の一杯には適任だ.

The MACALLAN Sherry Oak Kask 12 Years Old

マッカランがオロロソシェリー樽熟成なので,2番目のウイスキーは樽違いにすることにした.バーボン樽という選択肢ももちろんあるのだが,自分が好きなウイスキーを飲んでもらいたかったので,グレンモーレンジー ネクタードールを選んだ.ソーテルヌワインカスク(貴腐ワイン樽)で熟成させた甘いシングルモルトウイスキーだ.グレンモーレンジー蒸溜所は樽のパイオニアとして知られる.

GLENMORANGIE The Nectar D'or

3番目のウイスキーは尖った個性を追求せず,美味しいブレンデッドの代表格であるジョニーウォーカー ブルーラベルに決めた.やはり,赤や黒とは格が違う.これで,ザ・スコッチウイスキーを知ってもらう.

JOHNNIE WALKER Blue Label

満を持して,4番目のウイスキーはアイラ島から.アードベックやラガヴーリンも考えたが,ボウモア 12年を選んだ.言わずと知れたアイラの女王だ.ピートが効いてスモーキーなウイスキーだが,癖が強すぎることなく,美味しいシングルモルトウイスキーだ.

BOWMOR Aged 12 Years

5番目のウイスキーには,アイラ島繋がりで,ブルックラディ蒸溜所のオクトモア 14.3 アイラ・バーレイを選んだ.現在は原料の大麦麦芽をモルトスターから購入する蒸溜所が多いが,このオクトモア14.3はアイラ島のオクトモア農場で栽培された大麦を原料にしている.拘りが強い.そして,このオクトモア14.3を特徴付けるのは,なんと言っても214.2ppmという異次元のフェノール値だ.強烈な個性を味わってもらう.

BRUICHLADDICH OCTOMORE 14.3 Islay Barley

最後,6番目のウイスキーは王道に回帰する.バランタイン 30年だ.複雑で芳醇な香りと味.

Ballantine's Aged 30 Years

当初の予定では,これで終了だった.あとは気に入ったのを好きなだけ飲んでもらうつもりだった.だが,やはり,響を飲みたいというリクエストがあり,最後にサントリー 響 ブレンダーズチョイスも飲んでもらった.

しかし,これだけのスコッチウイスキーを飲んだ後,しかもバランタイン30年を飲んだ後なので,響のインパクトは弱かったようだ.美味しいけど,まあ普通ですね,という反応だった.狙い通りだ.ウイスキーの奥深さを感じてもらえたと思う.

「ウイスキーを飲む会」は今後も開催するつもりだ.

© 2024 Manabu KANO.

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