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グループ討議は"Around"でいいのでは…今はβ版で価格未定
なんと,端末を並べて使ってもハウリングしない!
これだけで満足な人は,この後の文章を読む必要はないだろう.
さて,京都で開催する某研究会でグループ討議をする.現地参加者とオンライン参加者によるハイブリッド討議だ.研究室のゼミもハイブリッド開催が続いているので,スピーカーフォンやウェブカメラも使っているが,道具をグループの数だけ用意するのも,参加者にインストール作業等をしてもらうのも大変だ.このため,グループ討議に適したアプリを探していたところ,行き着いたのが"Around"だ.
Aroundは,アプリをインストールしなくてもブラウザで使うことができる.企業参加者などパソコンにアプリをインストールできない人もいるので,ブラウザのみで使えることは必要だ.ChromeとEdgeに対応しているので問題はないだろう.ただし,今のところmobileでは使えない.iPadやiPhoneではダメだった.
実際に試した感想などをメモしておく.
上の画像はFloating Modeのキャプチャで,参加者の顔を丸く切り取った映像を画面上の好きな場所に配置できる.邪魔にならないのがよい.他のアプリと違って,円なので,映り込む背景の面積が小さくなる.これも高評価されているらしい.
Floating Modeを使うためには,アプリをインストールする必要がある.まあ,これが使えなくても問題はない.ブラウザで使用する場合は,Campfire Modeになる.円であることには変わりない.
いずれのモードでも,顔を移動させると自動追尾して,顔を円の中心付近に持ってきてくれる.これは便利だ.
上の画像はNotesを開いたときの画面キャプチャだ.文書を共同編集できるので,議事録(メモ)を残すのに便利だ.問題なく,複数人で同時に編集できた.Teamsの共同編集で何度も痛い目(文書消滅とか)に遭ってきた者としては,安心して使えるのは嬉しい.まだ大型予算申請締切直前の修羅場などで試してはいないので,動作保証はできないが...
編集した文書は,会議終了後に,アカウントを持つ参加者のメールアドレスに自動送信される.黒く塗りつぶされているところは背景色を使ったところで,使い方には注意が必要そうだ.もちろん,文書はコピペできるので,その場でWordファイルなどに貼り付けてしまってもいい.
Image Sharingを使うと,画像ファイルだけでなく,PDFファイル等を共有できる.
共有してもらったファイルはダウンロードできる.これはPDFファイルを共有してもらったときの画面だ.
Screen Sharingで,画面,ウィンドウ,ブラウザのタブを共有できる.これはAdobe Acrobatのウィンドウを共有してもらったときの画面だ,自分のAroundウィンドウに共有画面が表示される.その際,参加者の顔はこの図のように表示される.この図では顔が共有画面に重なっているが,Aroundウィンドウを横に延ばしてやれば重ならない.
そして,素晴らしいのは音声品質だ.ノイズキャンセリングが優秀で雑音下でも聞き取りやすいのだが,それよりも何よりも,端末を並べて使ってもハウリングしないのが凄い.これなら,参加者がそれぞれパソコンを使うような場合でも,スピーカーフォンを用意する必要はない.
最大30人で利用できるので,グループ討議で使うには十分だ.
グループ討議は"Around"でいいのではないか.今はβ版で価格未定だが.
© 2021 Manabu KANO.