
自転車生活初のパワーペダルが面白い
パワーペダルシステム POWERLINK ZERO DUAL(Wahoo Fitness)を購入して使ってみた.これはパワーメーターの一種で,自転車のペダルを踏み込む力をリアルタイムに測定できる.POWERLINK ZEROにはデュアルとシングルがあり,デュアルでは左右両側のペダルにパワーメータが仕込まれていて,右と左を独立に測定できる.このため,ペダルを踏み込む力の左右バランスも把握できる.一方,シングルでは測定値を2倍してパワーとするため,正確さに欠け,左右バランスもわからない.ただし,シングルの方が安い.
今回,Wahoo Fitnessに直接発注した方が国内で買うよりも安かったため,そうしたところ,台湾から3日で届いた.コロナ禍なのに,実に速い.

わかる人にはわかるのだが,POWERLINK ZEROパワーペダルは,SPEEDPLAYビンディングペダルをパワーメーター化したものだ.
そもそも,レースに出るわけでもなく,真剣にトレーニングするわけでもなく,全力でヒルクライムするわけでもない私は,パワーメーターには興味がなかった.ないよりはある方が良いのだが,それなりに高額なため,そこまでする気はなかった.
しかし,2022年7月17日のサイクリング中に,ペダルとクリートの固定が緩々になり,サイクリング後に確認したところ,ネジが脱落し,Cリングが切れていた.シューズの痛みも激しかった.ペダルもシューズも2016年春から使っているので,そろそろ買い換えどきだろうと思った.
そこで,どうせ新しく購入するのであれば,折角だから,パワーペダルにしようかと考えたわけだ.

もちろん,パワーメーターには多くの種類があるし,ビンディングペダルにもビンディングシューズにも多くの種類がある.ロードバイク乗りなら,SPD-SLを使用している人が多いだろう.
ただ,私の場合,2016年に初めてのロードバイク(現在も駆っているRIDLEY FENIX SL)を購入したとき,併せて購入したビンディングペダルがSPEEDPLAYで,とても気に入っているため,今回もSPEEDPLAYにすることにしたので,必然的にPOWERLINK ZEROパワーペダルを選ぶことになった.そして,どうせ買うならデュアルだ.
ちなみに,価格は113,000円.小さいペダル2つでこの価格.高い.

パワーペダルを購入したからには,使いまくらないと勿体ない.
というわけで,土曜日に新しく購入したシューズ(fi'zi:k TEMPO OVERCURVE R4)にクリートを取り付け,ペダルをロードバイクに取り付け,着脱の練習をして,日曜日にサイクリングに出掛けた.
パワーを出さざるを得ないコースがいいだろうと思い,自宅から京見峠を越えて京北に向かい,そこから花脊峠を越えて帰宅するコースを選んだ.京北に向かう国道162号(栗尾バイパス)には全長2313mの長い京北トンネルがある.このトンネルを自転車で走るのは決して快適ではないため,旧道に迂回して栗尾峠を越える.現在,この旧道は歩行者自転車専用になっているので,走りやすい.
ただし,何十年も京都に住みながら,いや,6年もロードバイクに乗りながら,そのロードバイクで,京見峠を京都市街側から登ったことはなく,栗尾峠を越えたこともなく,花背峠を通ったこともない.まさに初めて尽くしのサイクリングになった.このコースで初パワーペダルだ.

これまでは,サイクルコンピュータ(GARMIN EDGE 1040)で,距離,速度,ケイデンスを確認するくらいだったが,同じ画面でパワーと左右バランスを確認できるようになった.かなり良い左右バランスで走れているようで,走行後にバッジがもらえた.

別画面でパワーカーブを確認することができる.これは,どれだけの時間,どれだけのパワーで走り続けられるかを示したものだ.図は4週間の結果となっているが,実際には日曜日ののんびりサイクリングの結果から推定した値になっている.いずれ全力で漕いでみる必要がある.

そして,FTP(Functional Threshold Power).FTPは,最大で1時間出力し続けられるパワーのことで,サイクリストの能力の指標となる.トレーニングするとき,このFTPを向上させることが目標の1つとなる.ちなみに,W/kgで表されているのはパワーウェイトレシオで,FTPを体重で補正した(割り算した)値である.この値が大きいほど強い.
なお,私はデータがなさすぎて,FTPの値はわからない.

さらに,ガーミン・エッジを触っていると,パワーガイドという機能があった.どうやら,指定したコースをどれくらいのパワーで走るといいかを教えてくれるらしい.試しに,軽井沢から草津温泉を経由して渋峠を越えて長野まで行くコースに適用したところ,上の図のようになった.235Wが私の推定FTPで,それを越えないように,最大209W,平均130Wで走れということらしい.面白い.

これから存分にパワーペダルで遊ぼうと思うが,問題が発覚した.フラットペダル化できないのだ.これまで,サイクリングするときはSPEEDPLAYペダルを使用し,通勤時には「プラットフォーマー2」を使ってSPEEDPLAYペダルをフラットペダル化していた.SPEEDPLAYの旧型ペダル(写真右)には切り込みがあって,プラットフォーマー2はそれに合うようになっている.一方,新型のPOWERLINK ZERO(写真左)には切り込みがなく,プラットフォーマー2が使えない.今日,無理矢理,POWERLINK ZEROにスニーカーで通勤してみたが,不快極まりない.ダメだ.今のところ,POWERLINK ZEROをフラットペダル化する道具は販売されていないようなので,どうしたものか途方に暮れている.とりあえず明日は,fi'zi:k TEMPO OVERCURVE R4を履いて通勤するか.
© 2022 Manabu KANO.