見出し画像

アジア人対象の第Ⅲ相試験で有効性示す新たな抗てんかん薬

小野薬品工業、SK Biopharmaceuticals

小野薬品工業は12月10日:韓国のバイオテクノロジー企業SK

2019年11月21日米食品医薬品局(FDA)はSK Life Sciences Inc社のXcopri(cenobamate)錠ついて成人における部分発作てんかんの適応で承認した。同剤は、電位依存性カリウムチャネルブロッカーと呼ばれる薬剤を承認したと発表しました。

cenobamateはSK Biopharmaceuticalsの抗てんかん薬で、小野薬品工業が日本における独占的な開発および商業化を行うライセンス契約を締結しており、日本国内での販売の独占権も持つことになります。

治験も進み、2024年12月10には。Biopharmaceuticalsが抗てんかん薬(ASM)による治療でコントロール不良な部分(焦点)発作を有するアジア人患者を対象とした多施設共同の第Ⅲ相臨床試験(YKP3089C035)において、cenobamate(米国販売名:XCOPRI)が有効性と安全性を示したことを発表しました。

Dr.Danのひとりごと
SK Biopharmaceuticals社にとってばかりでなく韓国のバイオ・製薬企業が独自に創製、研究から開発、FDA承認取得まで貫通して行った初の薬剤となった訳でITだけでなく創薬それも神経系となると功績は大きいと思います。
現在の韓国は未知ベーションへの開発情熱や学習能力は正直素晴らしいと思います。

Cenobamateの作用機序

Cenobamateの主成分による作用機序は、部分発作(焦点発作とも呼ばれる)に関連しています。部分発作は、脳の特定の領域で始まり、その領域内に留まる不規則な電気信号によって引き起こされます。Cenobamateが部分発作を軽減する具体的な仕組みは完全には解明されていませんが、不規則な脳の電気信号を調整する作用が関与していると考えられています。

製品名「Xcopri」は、生活の質(QOL)に大きな影響を及ぼし、コントロールが難しい成人の部分発作型てんかんに対する新たな治療オプションとして期待されています。

臨床試験ではてんかん発作を90%減少させた結果も報告されています。

出典:https://www.xcopri.com/xcopri-results/

まとめ

今回個人的に注目しているのは、アジア人と欧米人では発作型の分布の違いがあります。アジア人局所性発作(部分てんかん)が多い傾向が報告されています。これは感染症や外傷が局所的な脳損傷を引き起こしやすいからです。
一方、欧米人全般発作(脳全体が影響を受ける発作)の割合が相対的に高いとされている焦点の違いを創薬のファンクションに活かしたことが画期的なアイディアで好感が持てます。

また、患者によって抗てんかん薬(AEDs)への反応が異なることを踏まえると、今回の承認はそのような症状を持つ患者に対し、必要とされる新たな治療選択肢を提供し、選択の幅を広げる意義深いものといえます。


いいなと思ったら応援しよう!

InsightX
記事を気に入って頂けましたか? 応援よろしく!