InsightXの原点: 2016米国急性期後ケア管理システム開発
このシステムは、従来の院内情報システムとは異なり、関係施設やスタッフと連携してチーム医療を支援する新しいタイプのシステムです。情報管理においては、従来の一次元的なレベル分けから、施設カテゴリと管理レベルを組み合わせた二次元的なデータ構造に加え、GPS情報からアクセス場所の良否判定を持たせた四次元データ構造へと進化しました。これにより、閲覧可能なデータのグルーピングとカテゴリー構成が複雑になり、多様なニーズに対応する柔軟な情報管理が可能となりました。
さらに、システム開発の目標として、入院期間の短縮を図るためのプロセス予測機能が求められていましたが、当時のAI技術では非常に厳しい条件でした。
アメリカの医療保険制度、いわゆる「メディケア」では、同一原因による30日以内の再入院が発生すると、医療機関に対して罰則が科される可能性があります。そのため、病院や関係医療機関は、患者の状態を院外でもモニタリングできるソリューション導入が必須となっています。
なお、米国の医療費は日本と比較して非常に高額です。例えば、怪我による入院費用は1日あたり約2,883ドルで、平均入院期間は4.5日です。このように、回避可能な再入院を抑えることは、患者や医療機関、すべての関係者にとって重要な課題となっていました。
ヘルスケアアプリにおけるユーザーフレンドリーなUI/UXの重要性
当時すでに当時でも医療分野ではデジタルデバイスの利用が年々増加し、医療従事者が迅速かつ効果的に業務を遂行できるように多くのデバイスをサポートしています。その為にデバイスごとのデザインテープレートを採用し結果、より良い医療成果をもたらすことができました。
また、医療サービスの質に対する期待も変化してきており、患者は単なる「患者」としてではなく、自身の健康状態を管理してもらう「顧客」としての立場が求められるようになっています。このため、医療ソフトウェア開発においては、表示語句表記などにおいても患者中心のアプローチが不可欠でした。
テクノロジーの発展に伴い、医療におけるユーザーエクスペリエンス(UX)への期待も拡大しています。特に医療のような繊細な分野では、システムとユーザー間でスムーズなインタラクションが求められ、UXに配慮しないデザインは、医療現場に不要なストレスをもたらすだけです。
さらに、医療アプリにおいてはアクセシビリティとインクルージョンも重要な要素です。幅広いユーザー層、特に高齢者や障害を持つ人々にも対応できるようにすることが求められます。このような多様なニーズを満たすためには、ヘルスケアソリューションのUI/UXデザインに焦点を当てることが最も効果的でした。
医療システムにおける
ユーザー インターフェイスとエクスペリエンスの考慮した事項
優れたソリューションを構築するためには、考えられる障害を回避し、効果的に対応する必要があります。では、ヘルスケアアプリのユーザーインターフェイス(UI)デザインにおいて、どのような要素を中心に考慮すべきでしょうか?対象ユーザーとエンドユーザーの特性に応じて、次の差別化要因に注目することが重要でした。
アプリ開発の第一歩は、対象ユーザーを理解することです。医療業界の特性や専門用語、ユーザーが直面する可能性のある課題をしっかりと把握する必要があります。医療専門家向けのソリューションを開発する場合、彼らが求める機能や解決したい課題についての意見を取り入れることを検討してください。患者向けのソフトウェアの場合は、一般的なリクエストを分析し、それに応えるツール設計を目指しましょう。
また、開発チームを編成する際は、医療ソフトウェア開発の経験があり、ユーザーの要件を理解しているメンバーで構成することが重要です。これにより、関連規制への準拠を確保し、質の高いサービスを提供できる、ユーザー満足度の高いソリューションを実現しやすくなりました。
明確で一貫性のあるビジュアルデザインに採用
アプリケーションを開いた際、ユーザーが最初に注目するのは外観と操作性です。テーマや色、フォント、テキストサイズなどのビジュアル要素は、ユーザーインターフェイス全体の印象に大きく影響します。そのため、ソフトウェア全体でこれらの要素が一貫していることが重要です。
例えば、過度に明るい色や小さすぎるフォントは避け、代わりに青系の色合いを使うことで落ち着いた印象を与えられます。青はユーザーに安らぎと静けさを感じさせる効果があるため、医療用ソフトウェアに特に適しています。また、健康状態がすぐれないユーザーも多いため、テキストは十分な大きさで、視認性の高いシンプルなフォントを用いることが推奨されます。
さらに、一つの画面に情報を詰め込みすぎないことも大切です。特にモバイルアプリでは、空間を十分に取り、必要に応じて追加画面を作成しましょう。ただし、視覚的な魅力とナビゲーションの複雑さにはトレードオフがあるため、後者にも注意を払う必要があります。
直感的なナビゲーション
覚えておくべきもう 1 つの重要なヒントは、ソリューションはテクノロジーに精通したユーザーとそうでないユーザーの両方にとって使いやすいものである必要があるということです。つまり、ナビゲーションは直感的であり、論理的に設計されている必要があります。
たとえば、ユーザーが興味を持ちそうな主要なページをすべて含むハンバーガー メニューを提供するとします。あるいは、必要なアプリ領域間を簡単に切り替えることができるように、上部または下部のナビゲーションも適しています。
つまり、直感的な UI を設計し、スムーズなユーザー エクスペリエンスを提供する方法はたくさんあります。それは達成しようとしている目標によって異なります。
医療従事者向けであれ、患者自身向けであれ、医療データを表示するためのソフトウェアでは、その情報がわかりやすい形式で提示されることが重要です。
例えば、一定期間にわたる患者の進捗状況を示したい場合、グラフの使用をお勧めします。また、日付をクリックしてテスト結果を表示する機能など、インタラクティブな要素を追加することも効果的です。このようにすることで、視覚化がより包括的で洞察に満ち、分析が容易になります。
患者向けに有意義な医療情報を視覚化するためのグラフには、以下のようなサンプルがあります。
進捗グラフ(折れ線グラフ):
用途: 患者の体重、血糖値、血圧などの時間経過による変化を示すのに適しています。
例: 3か月間の血糖値の変動を示す折れ線グラフ。横軸に日付、縦軸に血糖値を設定し、患者が日ごとのトレンドを把握できるようにします。
比較グラフ(棒グラフ):
用途: 例えば、治療前後の症状の改善具合を視覚的に比較するのに役立ちます。
例: 治療前の痛みのレベルと治療後の痛みのレベルを示す棒グラフ。各症状に対して2つのバーを設け、治療の効果を一目でわかるようにします。
割合グラフ(円グラフ):
用途: 患者の治療における異なる要因の割合を示すのに適しています。
例: 患者の生活習慣に関する円グラフ(運動習慣、食生活、睡眠などの割合)。患者が自分の生活スタイルを視覚的に理解できるようにします。
インタラクティブグラフ:
用途: 患者がデータに対して深く掘り下げたり、特定の要素を選択したりできる機能を持つグラフ。
例: グラフ内の任意の日付をクリックすると、その日の詳細なテスト結果がポップアップ表示されるインタラクティブな血糖値グラフ。
これらのグラフは、視覚的に情報を提供することで、患者が自分の健康状態をよりよく理解し、治療の効果を実感するのに役立ちます。InsightXではデザインやツールを使用して簡単に、これらのグラフを作成することができます。
JFreeChartを使用した動的グラフのサンプル
まず、JFreeChartライブラリをプロジェクトに追加する必要があります。Mavenを使用している場合は、pom.xmlに以下を追加します。
xml
<dependency>
<groupId>org.jfree</groupId>
<artifactId>jfreechart</artifactId>
<version>1.5.3</version>
</dependency>
動的な折れ線グラフのサンプルコード
以下は、簡単な折れ線グラフを動的に更新するサンプルコードです。このコードでは、一定時間ごとにデータを更新してグラフを再描画します。
java
import org.jfree.chart.ChartFactory;
import org.jfree.chart.ChartPanel;
import org.jfree.chart.JFreeChart;
import org.jfree.chart.plot.PlotOrientation;
import org.jfree.data.xy.XYSeries;
import org.jfree.data.xy.XYSeriesCollection;
import javax.swing.*;
import java.awt.*;
import java.util.Random;
import java.util.Timer;
import java.util.TimerTask;
public class DynamicChartExample extends JFrame {
private XYSeries series;
private Random random = new Random();
private int timeElapsed = 0;
public DynamicChartExample(String title) {
super(title);
series = new XYSeries("Blood Sugar Level");
XYSeriesCollection dataset = new XYSeriesCollection(series);
JFreeChart chart = ChartFactory.createXYLineChart(
"Blood Sugar Levels Over Time",
"Time (Days)",
"Blood Sugar Level",
dataset,
PlotOrientation.VERTICAL,
true,
true,
false
);
ChartPanel chartPanel = new ChartPanel(chart);
chartPanel.setPreferredSize(new Dimension(800, 600));
setContentPane(chartPanel);
// Timer to update the chart every second
Timer timer = new Timer();
timer.schedule(new TimerTask() {
@Override
public void run() {
updateChart();
}
}, 0, 1000); // Update every second
}
private void updateChart() {
// Simulate adding a new data point
timeElapsed++;
double newValue = 80 + random.nextGaussian() * 10; // Random value around 80
series.add(timeElapsed, newValue);
}
public static void main(String[] args) {
SwingUtilities.invokeLater(() -> {
DynamicChartExample example = new DynamicChartExample("Dynamic Chart Example");
example.setSize(800, 600);
example.setDefaultCloseOperation(WindowConstants.EXIT_ON_CLOSE);
example.setVisible(true);
});
}
}
説明
XYSeries: グラフに表示するデータポイントを格納します。
JFreeChart: グラフの作成を担当します。ChartFactoryを使用して、折れ線グラフを作成しています。
Timer: 一定の間隔でグラフを更新するために使用します。この例では1秒ごとに新しいデータポイントを追加しています。
updateChart(): 新しいデータポイントを生成し、グラフに追加します。
実行方法
上記のコードをJavaプロジェクトに追加します。
必要なライブラリ(JFreeChart)を追加します。
プログラムを実行すると、動的に更新されるグラフが表示されます。
これにより、患者の進捗状況やその他の医療データを動的に視覚化できるシンプルなアプリケーションが作成できます。必要に応じて、データの取得方法や表示形式を変更して、より具体的な用途に適応させることができます。
長くなってしまいましたがInsightX誕生秘話その2も近々リリース予定ですのでお楽しみください。
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