2024年度 医学部入試の合格率:女性受験者数が過去最多を受けて求められる構造変化

10月15日に文部科学省が公開した2024年度の医学部医学科入試の結果では、男女別の合格率や、各大学の男女比が明らかになりました。全体の受験者数は12万102人、そのうち女性受験者は過去最多の5万2298人でしたが、合格率を見ると、男性が12.3%、女性が10.6%と依然として差が残っています。

入学者の男女比:女性が50%以上の大学と30%未満の大学

今回のデータによると、入学者に占める女性の割合が50%以上の大学は8つ存在しました。
聖マリアンナ医科大学、東邦大学、弘前大学、岐阜大学、杏林大学、兵庫医科大学、島根大学、国際医療福祉大学です。これらの大学は、女性の医学部進学が活発であることを示しています。

一方で、入学者の女性比率が30%未満だった大学は、名古屋大学、新潟大学、三重大学、広島大学、九州大学、千葉大学、大阪公立大学、東北大学、大阪大学、東京大学、京都大学、北海道大学の12大学。特に国公立大学でこの傾向が見られるのが特徴的です。

設置者別の合格率

大学の設置者別の合格率も興味深い点です。国立大学の合格率は男性31.9%、女性28.3%と、全体的に高い傾向が見られ、公立大学も男性30.6%、女性28.8%と似たような水準でした。一方、私立大学では男性8.4%、女性7.7%とかなり低めに。大学の設置形態による競争の厳しさが反映されているようです。

女性の受験者増加と課題

2018年に複数の大学で女性受験者を不利に扱っていた問題が発覚し、その後文科省が各大学の合格率を公表し始めたことで、女性の受験者数が増加している点です。2024年度の女性受験者数は過去最多であり、これは女性の医学部進学への関心が高まっていることを示しています。しかし、合格率の差や入学者の男女比に顕著な傾向があることから、まだ解決すべき課題が残っていることがうかがえます。

多様性の実現

大学入学時における人種の多様性を重視する概念は、特にアメリカ合衆国で広く知られています。これは「アファーマティブ・アクション(affirmative action)」と呼ばれ、教育機関や職場における機会の平等を促進するための政策です。大学入試では、特定の少数派グループ(アフリカ系アメリカ人、ラテン系、先住民など)に対して入学の機会を増やし、学生の多様性を確保するために設けられました。
しかし、近年では人種を考慮した入学は逆差別にあたるとして
アファーマティブ・アクションを撤廃する判決がなされており
人種に依存しない多様性を求める方向にシフトしています

日本に戻しますと、男女差が顕著なことは現状問題といえます
が、現場での意見などや実際の例をみていると
女性医師にとって不利なキャリア形成、断念するケースなど
あります。体感的にはあと2-3割女性医師が増え、その上で持続可能なシステムとなることが求められるように感じます。

医師は医師同士結婚が多かったが、女医>男医となってくると
必然、構造が変化してくると思われる。まだまだ現状問題は多い


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