ヤーズ内服中のコルチゾールについて

超低容量ピルのヤーズは月経困難症、子宮内膜症に対して処方されることが多く内服されている方は多いです。

ヤーズ内服中のコルチゾール高値についてコンサルトを受けることが度々ありました。

なんらか疾患を疑ってホルモン検査をおこなったところ、コルチゾールのみ高いというケースが多いように思います。

コルチゾールとは

コルチゾールは副腎皮質ホルモンの糖質コルチコイドの一種で、生体必須ホルモンです。低いと副腎皮質機能低下症、高いとクッシング症、クッシング症候群などが疑われます。
そのため、コルチゾールの異常値は内分泌疾患の疑いが高くなるのでコンサルトがきます。

副腎不全、クッシング症候群は症状が強い

副腎不全では低血圧、低Na血症、低血糖、体重減少などなど症状、検査結果の異常が目立ちます。

クッシング症候群もコルチゾール高値に加えて、高血糖、脂質異常、高血圧、低カリウム血症などと様々な検査結果の異常を示します。また、脂肪の再分布である満月様顔貌、バッフォローハンプ、中心性肥満は教科書的にも有名な症状です。

従って、疾患が隠れている場合は様々な異常を念頭において診療にあたります。

全く異常が無いとき

私の場合は、電解質はナトリウムとカリウムに異常を想定しているので、異常がないとあれ??と思います。なにかおかしい。
そういうときは薬剤が原因であることが多いので、医薬品の添付文書をみます。

12. 臨床検査結果に及ぼす影響

含有するエチニルエストラジオールの作用による血清タンパク(コルチコイド結合性グロブリン、サイロキシン結合性グロブリン等)の増加により、総コルチゾール、総T3、総T4の上昇がみられることがある。また、これらの遊離型は変化しないとされている。これら検査値の判定に際しては注意すること。

医療用医薬品:ヤーズ

これですね。おそらく、普段からみている先生には特段珍しい話でも無いと思いますが、たまにこういったことがあるので備忘録として記録しておきます。
採血のコルチゾールの上昇に対して、コルチゾール過剰作用症状が全く無いことから一致します。

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