毎年の楽しみ:親子で読む紙の本の時間

電子書籍は便利で、いつでもどこでもほとんどの書籍、マンガは電子書籍になりました
スマートフォンやタブレットさえあれば、どこでも好きな本をすぐにアクセスできるのは本当に便利です。
重い本を持ち歩くことは難しいし、もう便利さになれてしまうと戻ることは出来ません。

しかし、そんな私ですが
毎年必ず紙の本を手に取る時間を作るようにしています。
毎年の芥川賞受賞作を親子で読み、感想などを共有するという恒例行事をおこなっています。
この行事はずっと続けており、私と子供にとっても大切な時間です。

芥川賞限定ということではなく、子供も読みそうかな?という本は積極的に単行本を買うようにしています。最近では雨穴さんの変な家は家族で読みました

芥川賞は子供にはちょっと難しいかな?と思うときもあるのですが
高瀬準子さんの、おいしいごはんが食べられますように
でお互いの感想を話し合うという機会があってから毎年やるようにしています。
感受性や感じることは年代で全く違うので、新しい発見があります
普段の会話では得られない洞察、視点なども感じます

こういったコミュニケーションもいいなと感じます

というわけで、今年の作品からはバリ山行をチョイスしました

第171回芥川賞受賞作。古くなった建外装修繕を専門とする新田テック建装に、内装リフォーム会社から転職して2年。会社の付き合いを極力避けてきた波多は同僚に誘われるまま六甲山登山に参加する。その後、社内登山グループは正式な登山部となり、波多も親睦を図る目的の気楽な活動をするようになっていたが、職人気質で職場で変人扱いされ孤立しているベテラン社員妻鹿があえて登山路を外れる難易度の高い登山「バリ山行」をしていることを知ると……。



「山は遊びですよ。遊びで死んだら意味ないじゃないですか! 本物の危機は山じゃないですよ。街ですよ! 生活ですよ。妻鹿さんはそれから逃げてるだけじゃないですか!」(本文より抜粋)



会社も人生も山あり谷あり、バリの達人と危険な道行き。圧倒的生の実感を求め、山と人生を重ねて瞑走する純文山岳小説。

バリ山行

ビジネスと登山を重ねている本作
バリ(バリエーション)山行というテーマになっており
型からはみ出る自由さと不安の両方が心理描写と共に描かれています

読みやすい文章であり、中盤の登山で危険な目にあうところがあるのですが
そこの表現力が素晴らしかったです

登山の経験がないと書くことはできないと感じました。
作者本人の登山の経験が昇華されているところだと思います。

お互いに読み終えたところで意見を交換してみたいと感じました。

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