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その53 食支援はリハビリと廃用予防

 食支援は誰に対して行うものなのか。私たち、新宿食支援研究会の作った食支援の定義では、「本人・家族の口から食べたいという希望がある、もしくは身体的に栄養ケアの必要がある人」が食支援の対象者です。摂食嚥下障害や低栄養の方が対象となります。

 さて、いったいどのような方でしょうか。もちろん、口から食べることが難しく、胃ろうやIVHなどで栄養摂取している方は対象者です。その方たちには摂食嚥下障害のリハビリが必要です。しかし、そういったばかりではありません。

噛みにくくなり、硬いものが食べられない
飲み込みが悪く、よくむせる
体重が減少してきている
傷や褥瘡(じょくそう:床ずれ)が治りにくい
筋力低下で歩きにくい

 上記のような症状のある高齢者はすでに食支援対象者といえます。地域で活動していれば分かりますが、そんな方はたくさんいます。そういう状態から廃用症候群になり、寝たきりになり、誤嚥性肺炎を繰り返し、口から食べられなくなる方も出てきます。そうなのです。上記のような、よく見る症状の時にいかに介入し、最期まで口から食べられる状況を保っていくことも食支援です。

 つまり、地域の食支援は、重症者への摂食嚥下リハビリテーションだけでなく、廃用予防も必要となります。廃用予防を進めていくのは専門職ばかりではありません。地域活動なども結果的に食支援につながることがあるのです。

 地域食支援は、重症者への摂食嚥下リハビリテーションと廃用予防。

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