その5 専門職だけで街は守れない!
各地域にはいろんな形の食支援チームがあります。しかし、誰に対してどのような支援を行おうとしているのでしょうか。
私が活動する東京都新宿区の新宿食支援研究会では、食支援を次のように定義しました。「本人・家族の口から食べたいと言う希望がある、もしくは身体的に栄養ケアの必要がある人に対して①適切な栄養摂取 ②経口摂取の維持 ③食を楽しむことを目的としてリスクマネジメントの視点を持ち、適切な支援を行っていくこと。」
対象者は、摂食嚥下障害のある方や低栄養の方です。地域高齢者の中で摂食嚥下障害の発症率は約16%、高齢者の低栄養の割合が約17%と言われています。皆さんの地域では何人ですか?まずは計算してみましょう。それが要食支援者です。それを専門職だけで守れるでしょうか。
専門職だけの活動で出来ることは、重度摂食嚥下障害者に対するケアだけです。しかし、その予防や早期発見するシステム作りには一般住民も巻き込まなければできないのです。
専門職だけでは街は守れません。一般住民を巻き込むことが地域食支援の真髄です。