歯科技工士の巨匠 川島哲
大学を卒業したのは30年以上前。卒後は入れ歯の専門講座に残り、入れ歯を勉強していた。その時、「キャストパーシャル」(部分入れ歯のベースを金属にしたもの)というものに憧れ、グラビアを観るように専門書を眺めていた。それを作っていた歯科技工士が川島哲先生。今回、ラジオゲストとして来てくださり緊張😑…していたが、その明るいキャラクターで一気に和やかな空気に。
学生運動などをやっていた経緯もあり大学を中退後、一時はカメラマンの道を志されていた。しかし、十分な収入を得られず、お兄様がやられていた歯科技工の道に。もちろん手先が器用というのはあるが、ご本人自らおっしゃる「神経質」というのがすべて歯科技工士の糧になっているとおっしゃる。そして出版された本の症例写真のすべてを自分で写真を撮られているという。カメラマンの側面が生かされている。
収録では、歯科技工士としての半生を面白おかしく語っていただきながら、垣間見える職人としてのこだわり。約30年前、金属床入れ歯(土台がプラスチックではなく金属)の職人として全盛期だった頃、インプラントが日本に入ってきて、歯科医師に「もうインプラントの時代だから入れ歯なんてだめだ」と揶揄されたらしい。しかし、自分の思いに忠実に、いいものを作り続けて今がある。今でも川島先生の作品が古びることはない。
職人だなぁと感心するエピソード。出来上がった入れ歯の土台(金属)を模型上に設置して何度も何度も指で触っていくらしい。そこで少しでも違和感があれば調節する。それを繰り返し、納得いくまで繰り返す。
「指と舌の感覚では舌の方が敏感と言われる人が多いけど、指も敏感なんです。だから入れ歯が口の中に入った時に舌が違和感を感じないようにしっかり触るんです」と。
自分が金属床の入れ歯を作るとき、その金属にあまりこだわりを持ってこなかった。単純に「コバルトクロム」(金属の名前)を使うものだと思っていた。実際最も使われている。しかし、川島哲と言えば「ゴールド」(金)。その理由を尋ねると、「金は美味しくなるんです。食事が美味しくなるんです!」と。また、他の金属と違って粘膜にフィットしていくらしい。歯科医師としてもっといろいろなものにこだわりをもっていきたいと感じた。
ラジオ番組「ドクターごとうの熱血訪問クリニック」、川島哲先生の収録日は以下で放送されます。
また8月9日以降、Youtube でも聴くことができます。お楽しみに
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