その14 連携は腕と腹!
地域に限らず、「連携」というのは人と人のつながりです。しかし、日本人は連携が苦手なのかもしれません。何か有事があるたびに連携不足という言葉が躍りますし、在宅関係の学会ほぼすべてと言っていいほど連携をトピックにした企画があります。本当に連携ができていれば話題にすらならないでしょう。
さて、地域食支援の連携は多職種、他職種連携が考えられます(以下参照)。職種だけでなく、所属も年齢も異なる人たちがうまく連携するのは確かに大変そうです。
そんな中でよく言われるのが「顔の見える関係」。お互いが顔が分かっていれば連携がスムーズに進むと言われます。しかし、これは本質ではありません。これは単なるコミュニケーションの手段であり、電話をしましょう、ファックスにしましょう、クラウドを使いましょうというのと同じレベルです。
では、真の連携に必要なものは何でしょうか。それはお互いがそれぞれのプロフェッショナルとしての「腕と腹」(skill&mind)を知り合えることです。ホームヘルパーの方が食事を提供する場面を考えてみましょう。コンビニで買ってきた弁当を机の上に置く人もいれば、個別のお皿に盛る方がいるかもしれません。さらに食欲をそそるような盛り付けをする人がいるかもしれません。ホームヘルパーはこういうことをする人、ではなく、その人がプロとして何を考え、どのようにできる人なのかまで知り合って初めて連携です。
そう考えると結論が出てきます。連携の根幹は、自分が、自分の職種としてプロとして活動することです。連携によって自分の仕事を助けてもらうことではありません。参加しているメンバー全員が自分の力を十二分に発揮した先に連携の効果が生まれるのです。
地域の連携の根幹は、自分自身がプロフェッショナルとして十分に力を発揮し、お互いの「腕と腹」(skill&mind)を知り合うこと。