03 地域食支援の3要件
地域という観点も、いろいろな見方がある。その地域にある病院や施設は地域なのか?ここで私が述べたいのは「家の暮らし」であるので病院はもちろん、施設も外して考えていく。地域に根ざした施設があることは承知しているが、多くはそうではない。しかもコロナ以降、外出さえない施設もある。地域を在宅での暮らしと捉えて考えていく。
食支援に関しては後述するとして「地域食支援」の実践について次の3要件があると考えている。
生活支援の視点で実践する
本人、家族のみならず、地域の様々なサービスを適切に利用して食支援を行うこと
最期まで口から食べられるための社会づくり
まずは生活支援の視点。病院では医療優先となり、患者が管理されるということもあるが、在宅生活をしていれば自分が中心の生活になる。あくまでも周りは支援という立場で関わっていかなければならない。後述する予定だが、このようなことから「死んでもいいから食べさせてほしい」と言われた時に問題となる。病院では間違いなくNOだ。
また、地域には様々なサービスがある。フォーマルなものもあればインフォーマルなものもある。介護保険サービス以外にも様々な色に関わるサービスがある。宅配弁当はもちろん、地域のサロンやサークルなど、各地域によって異なる。そしてそこに関わる人もいる。それらの資源を最大限利用する必要がある。地域の情報を収集し、関わる人とつながることが重要だ。
「最期まで口から食べられるための社会づくり」は、どの地域でも考えなければならない課題である。多くの方が「最期まで食べる」ことを希望しているが、残念ながら食べさせてもらえない人が多くいる。もちろん、禁飲食の指示をするのは医者だが、単にその医師が悪いというわけではない。その背景には社会の意思がある。この問題を解決するには大きな世論にしていかなければならない。