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【病院で働くということ】・・・Vol.16:若手スタッフの心が折れるとき

 病院のような忙しい職場で、過酷な環境下で働く若手スタッフが急に働けなくなってしまうことがあります。緊張の糸が切れるとか、最近では心が折れる、などと言われることがありますが、果たしてどんなときでしょうか。
 
 長時間勤務が続き過剰なストレス環境に身を置かざるを得なくなると、心身ともに徐々に不調になっていきます。それだけで精神的に大きな負荷がかかっている状態といえるのですが、さらにストレスによる不眠や、業務時間以外に発生するイベントにより状況は悪化します。
 
 そのようなストレス環境下においてもなんとか踏ん張って業務をこなしている人は多いでしょう。
 ただ実際には、ギリギリの精神状態の中で最後の一線を越えるような心が折れるような状況が起きる場面が起きることがあります。
 その一つが、信頼する直属の上司からの心ない言葉なのではないでしょうか。

「なんでそんなことも出来ないの?」

「あれ、まだ出来てないのか」

「もういいよ、代わりにやるから」

などなど。
 
 自分なりに頑張っていても成果が上げられないとき、その原因は様々ですが、その過程に目を向けず結果だけで人格まで否定されるときが、実は一番精神的にダメージを来すのではないかと思っています。
 
 業務の中でミスをしたり、クレーム対応をして落ち込んでいるときに、サポートやねぎらいの言葉をかけるわけでなく、さらに追い打ちをかけるような言動があれば、今の若い人たちはすぐにその職場を見限ります。
 
 今の若い子はストレス耐性がない、我慢が足りない、などという言葉で若手スタッフを切り捨てる人がいますが、そういう人に限って自分が経験が浅いときに周囲に十分なサポートを受けたことを理解していません。
 失敗をしたり、厳しい環境下で業務を行った際に上司や同僚にサポートを受けたことを実感し、それにより成長出来たと感じた経験のある人は、多くは自分が上の立場になったときに部下や同僚をサポートできる人になっていると思います。
 
 仕事が忙しいだけで若い人が心を病むわけではない。忙しいときや頑張っているときに適切なサポートが得られないことが精神的に最もきつくなる原因になるのではないか、と思っています。


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