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「病院で働くということ」・・・Vol.4:第一印象は大事

今でも患者さんとの初めての対面は非常に緊張しますし、治療を受けられる患者さんはそれ以上だと思います。
「初めまして。△△科の○○です。よろしくお願いします。」と名札を相手に見えるようにして挨拶をしています。なるべく柔らかい印象で、威圧的にならないように・・・。
以前聞いた話では、宿泊するホテルの印象は到着時のフロントの対応で8-9割は決まる、とのこと。これから治療を受けようかどうしようか、不安を抱えて病院を受診される患者さんやご家族に対して、最初の医師の印象はこれからの信頼関係構築にとって大切な一歩です。
 
駆け出し外科医時代の失敗談を一つ。
予定入院で入られた患者さんところへ一人で病室に伺いました。私とは初対面(指導医の外来患者さんでした)。簡単な挨拶の後、「おなかを診察しまーす。あ、人工肛門があるんですね。」と言って診察を終え病室をあとにしましたが、夕方指導医からこっぴどく叱られました。「患者さんはストマ(人工肛門)の存在をとても気にしている。大部屋で他の患者に聞こえるようにそれが分かるようなことを言うのは配慮が足りない。」と言われました。
ストマは消化器外科医には見慣れたものであっても、実際にストマのある患者さんの気持ちまで理解はしていなかったと言うことです。特に初対面の患者さんには医師の一言が大きなインパクトを与えるのだ、と身につまされた経験でした。
 
また患者さんと長い期間かけて良好な関係を作り上げてきた(と自分では自負している)場合でも、自分の余計な発言で気分を害されることのないよう、発言内容には十分に気をつけるようにしています。

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