「ワコールのアバター接客が目指す、新たな顧客体験とは?」セミナーレポート
こんにちは!2021年も早いもので3ヶ月が過ぎましたね。皆様、お元気でしょうか?
(手前味噌で恐縮ですが)私が先月セミナーに登壇しましたので、振り返りも兼ねてセミナーレポートをまとめていきます。
セミナー内容
ついにアバターを活用したサービスがファッションビジネスに出てきた!!
登壇者:下山廣(株式会社ワコール 執行役員)高崎裕喜(HEROES株式会社 代表)仙崎萌絵(ネットイヤーグループ株式会社)大橋めぐみ(Apparel Play Office)
コロナ禍がなかなかあけない状況で、オンライン化が加速したビジネスにおいて、アバターをコミュニケーションツールとして活用している事例がでてきました。アバターを活用した新たな顧客体験と販売員の新たな働き方を生むべく開発された株式会社ワコールの「Ava.COUNSELING(アバカウンセリング)パルレ」を取り上げることにより、アバターの活用が、ファッションビジネスにどのような変化をもたらすのかを探っていきます。
どんな内容だったのか?
パルレの開発責任者であるワコールの執行役員の下山様、アバターのシステムを開発したHEROESの高崎様、サービスを体験した株式会社Apparel Play Officeの大橋様&私(仙崎)が対談していく形式でした。
ワコールのパルレが目指している顧客体験、DXに対する考え方、実際にサービスを体験したユーザー(私と大橋さん)によるリアルな使い勝手などを、さまざまな角度から語り合いました。
ワコールのパルレとは?
ワコールのパルレは、アバターと楽しく会話の出来るリモート型のカウンセリングシステムです。店舗スタッフに話しかけるように下着の選び方を画面のアバターにご相談出来るサービス。
実際に体験してみて感じたこと
実は以前投稿しているnoteに詳しくまとめていますので、こちらをご一読いただけるとサービスの体験がわかりやすいと思います!
セミナーに登壇して感じたこと
ワコールという会社全体が、「新しい技術を取り入れながら、時代の変化に合わせた最適な体験を届けようとしている」のだと感じました。3D smart&tryやパルレの開発を担当されている下山様が説明されていましたが、今まではリアルな店舗でのチャネルにおける成長により、企業として成功ができていた時代から、その成功に驕らずにデジタルを取り込みながら更なる成長を目指していく「柔軟さ」がとても大事なのだろうなと。
そして、ただ技術を取り入れればOKという考え方ではなく「その技術を活かして、ワコール全体で働く人、利用する人の体験をより良くしていく」という考え方なのが非常に共感できました。今回のパルレにおいては、リモートで接客ができるという強みがあるため、遠方に住んでいる方や育休中で時短でしか働けないような方も柔軟に働くことができる環境づくりにもなっているそうです。アバター接客といいつつも、中の人は「一人の人間」であることからも、「人らしさ」についてはこだわられたと仰っていました。
今回のセミナーでは、サービスを提供した側とサービスを体験した側でそれぞれのパートを分けながら話をしたことで、企業として叶えたかったビジネスニーズと、利用者が感じたユーザーニーズがどこまで近づけられていたのか?をすり合わせられたことも良かったと感じています。
私はユーザーとして利用した時に感じたことをありのまま話しましたが、ひとつの大きなポイントとして「このサービスを通じて押し売りされなかった」というのは体験の読後感として強く残っていました。これだけの手厚いサービスでありながら、「商品について押し売り」などは一切なく、下着に関する悩みを相談できた・参考になったというポジティブな面だけを受け取って帰宅したのです。そこで終わらずに、実際に口コミで広めたり、SNSでシェアしたり、良い体験だったことは自然と周りに伝えていきたい気持ちになるので、結果的に「マーケティングという観点では成功しているのかもしれません。(できる営業マンは売らない、って話と似ていますよね。)
また、セミナーの中でも話していますが「ただ技術を導入すればOK」という意識から「その技術を活かして、どのように体験自体を変えていくか」をユーザーニーズに合わせて柔軟に変えていくことが非常に重要です。ワコールのパルレに関しては上記のミッションが明確になっているため、サービスとして成功しているのです。
企業の内側でDXを推進していくことの難しさ
ワコールは、トップの方々が「DXや革新に対する強い意識」があるからこそ、導入していけるスピード感があるのだろうなとお話を聞いていて感じました。ボトムアップで進めようとしても、トップの一声で中断してしまう場合や、現場レベルで始まっても推進していくリーダー不足で頓挫してしまう場合はきっとあるのだろうなと...
良くも悪くも日本は「忖度」「協調性」などの「人に合わせる文化」が根付いているので、周りと足並みを揃えられないと始められないという体質はあるのではないかと考えています。だからこそ、社内で新しい技術を取り入れていく場合は「何がなんでも進めていく」という強いマインドを持った人がサービス推進の中心にいながら、周りの人を巻き込んでやっていくことが必要なのでしょう。そして企業としては「失敗できる受け皿」をきちんと用意して、トライアンドエラーで取り組んでいくべきなのだろうなと。(言葉では簡単、実行は難しい、ですね。。実際にクライアントの皆様からヒアリングする機会があるときは、構想段階から実行段階へ移す時のハードルがあるのだろうなと感じます。)
ただ時代の変化に合わせた柔軟な対応ができないと、同じようなことを考えている競合との狭間で取り残されてしまうこともあります。だからこそ、「使う人の気持ちに寄り添った体験はどうあるべきなのか。ユーザーニーズとビジネスニーズのフィット&ギャップを洗い出していく」というプロセスは非常に大切ですよね。
今回のセミナーはユーザー体験から始まり、最終的にはワコールのDXについての話にも触れられているので、ご興味ある方はぜひ動画もご覧になってください〜!
動画でもセミナー内容を公開中です!(期間限定:4月上旬まで)
セミナー動画は4月上旬までの限定公開となっております。前半はユーザー体験のパート、後半はワコールのDXについて。気になる方は期間中までに是非ご覧いただければ幸いです。
また、CNET様でも今回のセミナーを記事に取り上げていただきました!こちらはセミナー内容がかなりコンパクトにまとまっていますので、ぜひご覧ください。
今後もこのような「デジタルとフィジカル」が融合した好事例を、自身の体験を通じて発信していけたらと考えています。