お化粧が楽しめない状況を、テクノロジーでどう変えていく?非接触でもわくわくできる購入体験を探してみた。
コロナ渦の中で、みなさん、お化粧楽しんでいますか?
こんにちは!10月も半ばに差し掛かり、秋が深まってきましたね。今年もあと2ヶ月か、と思うと色々感慨深い気持ちになるこの頃です。
今日のテーマは「新しい生活様式における、お化粧・コスメ購入の体験」についてです。2020年の半年以上を私たちはマスクで顔を隠し、マスクがないと人権を得られないような状況になってきていて、心のテンションが落ちているのは私だけでしょうか...?いや、きっと世の中の「お化粧が好き」な女性は同じ気持ちを抱えていると思います。
そう、「コスメを買いにくい!メイクを楽しみにくい!」と。
百貨店やバラエティショップで何気なく試していたテスターは使えなくなり、百貨店のショーウィンドウにはコロナ対策で透明のビニールカーテンが敷かれ、手にとることすらできない状況。さらに1日の大半をマスクで過ごすことが当たり前になってきて、どうせお化粧しても崩れてしまうし、誰もみないから...と化粧モチベーションは下がる日々。何気なく当たり前だと思っていたことが、ある日を境にできなくなってしまうというのは本当に辛いですよね。
私自身、前職が化粧品メーカーに常駐していたこともあり、コスメが好きなタイプです。プチプラからデパコス、韓国コスメまで、SNSで人気になっているものは試してみたい派だし、美容部員さんに接客してもらってTU(タッチアップ=お化粧してもらう)ことも好きなので、コロナの状況で購買意欲が一気に下がりました。実際、この上半期は必要最低限のコスメ・スキンケアしか買っていない...!
お化粧をする=新しい自分を見せる・モチベーションをあげる・承認欲求を満たす等々、人によって目的があると思うのですが、今の時代、状況下においては「必要最低限でいいか」という方向に進んでいるんじゃないかなと危惧しています。実際、コスメにおいては消費傾向が減っているというデータもあります。このままだと化粧品業界自体、ブランドがなくなってしまったり、縮小傾向になってしまう可能性は大いにありますよね。
引用元:2020年8月7日(金)~11日(火)『@cosme』調べ
今後もおそらく「非対面・非接触で、コスメやスキンケアの商品を買う・試す」ということは続いていくのでしょう。ただ、単純にデジタル化したり、通販で展開するだけでいいのでしょうか?その先にあるユーザー体験まで見据えないと、受け入れられない可能性はありますよね。FUN(楽しめる)部分も絶対に必要だと感じています。何より、「あ〜新しいコスメに出会えるのが楽しい・嬉しい」という気持ちを呼び起こしたい!
前書きが長くなりましたが、今の状況を乗り越えつつ・デジタルシフトしていくための「非対面・非接触」をテーマとしたサービスや取り組みをいくつかご紹介していきたいと思います!
コスメが手軽に買える?非接触かつQRコード決済ができる、コスメ自販機「PRENO」とは。
まだポップアップや試験運用という雰囲気ですが、都内の商業ビルの一角に「PRENO」という大型モニター付きのコスメ専用自動販売機が置かれています。コンセプトは「世界一小さなコスメ屋さん」とのこと。可愛い!
PRENOは「コスメをいつでもどこでも楽しく買える」体験を提供することを目標にしているそうです。
「PRENO」が特徴的なのは大型のタッチパネル。一覧でコスメが並んでいるのですが、まず視覚的に「たくさんある=選ぶ楽しさ」を提供しています。商品選択時にメイクモデルの動画が流れ、だいたいのイメージを掴むことができるそう。まだ実際に試せていないのですが、コスメの自販機と聞いただけでテンションが上がりました。しかも普通のドラッグストアで売っていない「韓国コスメ」がラインナップの中心とのこと。さらに決済は全てキャッシュレス決済なので、完全非接触のままコスメを購入できます。
今は商業ビルなどの一角に置かれていますが、今後普及が進んでいく中で、例えば駅構内にあって、誰でも気軽に買える(=性別・年齢問わず買える)ような体験になれれば、もっとコスメを楽しめる人が増えそうですよね。今はジェンダーレスコスメも流行っているので、性別の垣根を越えて楽しめる体験の提供はとても大切だと感じます。
ファンケル銀座本店が本格導入した、ARメイクシミュレーションも「手軽なメイクアップ」を体験できるサービス。
ファンケルも非対面でメイクアップ体験ができるサービスを導入したようです。
ARメイクシミュレーションは、タブレットを用いてメイクアップを試せるサービスとのこと。独自の顔認識技術により顔の各パーツを正確に認識し、鏡の前でメイクアップを行なっているようなリアリティの高いシミュレーションを実現してくれるというのが売りポイント。このようなサービスはアプリでも多く出回っていますが、より色の精度が高くリアルな質感を出せるということで、リアルな店舗における体験としてはアプリよりも一つ先をいってるのかなと予想しています。
美容部員さんとコミュニケーションをとりながら、ひとつずつメイクを重ねて完成系に近づいていくワクワク・ドキドキ感は薄れるものの、「短時間でさまざまな色を試せる(=失敗しにくい)・時短」というのはメリットになりますよね。
実際、百貨店でタッチアップしてもらいたいのに他のお客さんにつきっきりな状態で諦める...ということを何度か経験している身としては、このようにデバイスがあれば自分自身で色を試せるというのは非常にいいなと思いました。ただ、それだけだと無機質になりすぎてしまうので、ここからさらに「QRコードで読み取ったシミュレーション結果をデータで送れて、それを元に美容部員さんからレコメンドを受ける」ぐらいまであってほしいなと思います。
NARS(ナーズ)が始めた、最先端のバーチャルショップで「家にいながら実店舗にいるような気分」になれる?
引用元:https://www.fashionsnap.com/article/2020-09-11/nars-virtualshop/
リアルな店舗を再現した、バーチャルショップを開設したNARS(ナーズ)。実際のニーズ「オンラインでも購入できるが、実際の店舗で商品を見たい」という要望を受けていたことから、このようなショップを始めたとのこと。
実際にみてみると、かなりリアルに作り込まれていて、NARS ビューティ ・ スクエアの店舗デザインや品揃えを忠実に再現しているようです。画面内の商品をクリックするとそのままオンラインサイトに繋がり、詳細情報を確認・購入できるため、「なんとなく店舗でみているワクワク感・どれにしようかと選んでいく楽しさ」を醸成してくれています。私もこのバーチャルショップの再現率には非常に驚きました。
このような形でVRを活用できるんだ、と新しい発見にもなりました。それと同時に、コスメを選ぶ時の楽しさは「たくさんの中から、これが欲しいというお気に入りを発掘する」こともあるのだなという気付きも得られました。
最近ではパーソナルカラー(肌や目の色にあわせた、得意な色)の流行も相まって、失敗しないコスメの買い方がスポットライトを浴びているものの、そういうものを関係なしに「これ良さそう!」と選ぶ楽しさって、あったなぁとしみじみしています。
まとめ
マスクをつけ続けることで削がれるお化粧へのモチベーション。でも、購入するときの楽しさ、メイクすることのワクワク感を提供してくれるサービスや体験に出会えれば、乗り越えられると信じています。
今回は完全に「非接触・非対面」というのをテーマにしましたが、次回は今まで人と人でコミュニケーションしていたことをどうデジタルシフトしていく?というのを軸に、様々なサービスを取り上げられたらと思います!
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