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デザインサークルが70人で本気のBBQをした話(前編)

この記事は、designing plus nineの2024年Advent Calendarの一つとして書かれました。他のAdvent Calendarの記事はこちらから!

こんにちは、70人でBBQをするデザインサークルです。

 こんにちは、designing plus nineです!2007年に創設され、「design for everyone」をスローガンに様々な活動をしている東京大学公認サークルであり、この夏メンバー70人で団体内BBQを開催したデザインサークルです。
 はい。70人です。当日撮った集合写真がこちら。

当日の集合写真。なんとこれ、全員dp9メンバー。

 2024年8月24日に葛西臨海公園で開催されたBBQ「Ignition!」は、2024年入会の新入生から2012年入会のしばらくdp9からは離れていたというメンバーまで、合計70人近くが参加する「全然普通じゃない」イベントになりました。
 ということで今回(前編)では、そんな「全然普通じゃないBBQ」をどうやって作っていったのか、デザインサークルらしさを生かしたその制作の裏側を、全体統括を担ったピカリ(2023年度入会)がお伝えしていきます。


どうして70人でBBQをすることになったのか

はじまりは何気ない会話から

 そもそも何故、BBQを始めようと思ったのか。70人規模のBBQという巨大すぎるプロジェクトは何故生まれたのか――。全ては5月まで遡ります。
 週定例の活動(駒場mtg)を終えた帰り道、「2023年入会のメンバーを集めて夏に何かしたいね」という話が出たのをきっかけに「え、じゃあキャンプ行かない?」「海、海!」など口々に夏にやりたいことを言いだす23代達(急な注:dp9では20XX年入会のメンバーのことを総称してXX代と呼びます。今年度の執行代にあたる2023年入会のメンバーは通称23代)。
 そのときに誰かがポロっと「肉、焼きたいね」と言ったのです。すると、「肉、焼くかぁ」「BBQ良いね」と話がBBQの開催をする方向でまとまっていきます。そして、全ての命運を変えたのはそのうちの誰かが言った、たったひとこと――「せっかくなら、全部の代を呼んで肉を焼こうぜ」
 
この一言が最終的には70人規模のBBQへと繋がっていきます。

これは、当日焼かれた肉。

「無いのなら、作るのがデザインサークルです」

 といっても、特に理由もなく楽しそうだから全ての代を呼ぼうとしたわけではありません。dp9は2007年設立のデザインサークルとして、かなりの数のOB/OGがいます(正確には引退制度が無いのでOB/OGでは無いのですが)。その先輩達の中には、今でもデザイナーや映像作家として活躍している人、カメラにめっちゃ詳しい人、今のdp9にも継承されている様々なプロジェクトを始めた人、かつての団体運営・イベント運営の知識を豊富に持っている人がいます。なのに、今のdp9は全然それを活用しきれていない!
 もっと先輩達から知識や技術を教えて欲しいし、講習会とかも開いて欲しいし、かつてのdp9がどんなことをしていたのかを知りたい。そのためにはまず、今サークルの中心にいる23代や24代と先輩達が交流して顔見知りになる必要がある(さすがにSlack上だけでコミュニケーションをしている人に何かをお願いしたり、講習会をやってもらうのはハードルが高いですよね)。
 しかし、当時のdp9にはそのために必要な「全ての代が集まるイベント」というのが無かったのです(dp9が毎年出店している五月祭や駒場祭にOB/OGが来ることもありますが、逆にその一瞬しか話す機会が無い状況でした)。

 無いのなら、作るのがデザインサークルです。

 ということで、作りましょう。全ての代が集まり、交流できるイベント、つまり「全代が交流するBBQ」を!

BBQには、アツい思いが込められています。

BBQのブランディング「Ignition!」に込めた思い

 我々dp9はデザイナー集団です。デザイナーが何かを作るときに最初に必要になるのは何か。そう、「コンセプト」です。団体内BBQといえど、デザインサークルが本気でやるのであれば、コンセプト設定やブランディングは外せない。これから約3か月かけてBBQをデザインしていく指針となるような魅力あるコンセプトを定めることから、BBQの準備が始まります。中心となるメンバーで「燃える」「火をつける」などのモチーフを基にアイデアを出し合いながら考えていきます。

Figjam上で行われたコンセプトを決めるためのブレインストーミングの様子。

 何時間にも及んだ協議の上、2024年度BBQのコンセプトは「Ignition!」に決まりました。「火をつける、点火する」などの意味を持つ"ignition"という単語は、ロケットのエンジン点火のときにも使われる言葉です。今回のBBQを、ロケットの点火が象徴する「新しい時代のはじまり、新たな冒険」にしたい、BBQを通して参加したみんなの心に火をつけるきっかけにしたい、という運営陣の思いが込められています。
 コンセプトを決めたら、それを基にキービジュアル(略してKV)を作っていきます。火打ち石が触れ合うことで起こった火(=点火)が、未来へ向かって爆発的に広がっていくイメージを表すため、集中線をモチーフとして試行錯誤の末、KVを完成させました!

完成したキービジュアル。

大規模BBQを作るために

さぁ、仲間を集めよう

  さぁ、BBQの目的(OB/OGと23-24代の交流)、コンセプト(Ignition!)が決まったら、最高のBBQの実現に向けてより具体的な準備を始めていきます。
 これだけの規模のBBQを1人が管轄するのはもちろん無理なので、しっかりとチームを編成して動かしていきます。大事なのは、仲間を集めることです。

チーム①:プロジェクトマネージャー

 プロジェクトマネージャー(略してPM)は、全ての班の進行管理や、班同士の調整を担う役職です。今回は、このnoteを執筆しているピカリがPMを務めました(言い出しっぺの法則……!)
 また、様々な班が作る制作物や企画がコンセプトからはみ出していないかも随時チェックして調整をしていきます。

チーム②:クリエイティブチーム

 今回のBBQに関わる全てのクリエイティブ、つまり印刷物やWebサイト、テントの装飾に到るまでの全てを担当する班です。仕事が多いのでチーム内がさらに①統括 ②Web ③テントの3つに分かれています。

①統括班 
 
その名の通り、全ての制作物を統括する班です。それに加えて、先程紹介したキービジュアル(KV)と、それを基にして名札や紙リストバンド、案内サインなどの制作も担いました(なぜ、名札やリストバンドを作ることになったのかは、この後説明します)。
デザインサークルらしさを生かした制作物の数々がこちら!

複数人でデザインを担当するため、使用する色や書体、ロゴの展開の仕方も決定してメンバーに共有します。いわゆる「トーン&マナー」と呼ばれるアセット群です。
リストバンド。代を判別しやすいように作りました。赤色のバンドは24代である証。

②Web
 その名の通り2。Webサイトを作る班です。Webサイト……?と思われた皆さん、そうです、dp9のBBQ「Ignition!」は今回のためだけにBBQの情報やタイムテーブルが乗ったオリジナルのWebサイトが作られています。衝撃の手の込みよう。団体内にしか公開しないのにも関わらず、この高クオリティ。

実際に制作されたWebサイトの一部。たぶん、団体内のBBQのためだけにサイトを作るサークルはdp9だけ。

③テント
 会場に設置されたテントを装飾したり、紙皿を選んだりと、会場の雰囲気を盛り上げるために様々な工夫をする班です。会場全体の構成も、この班が中心になって考えていきました。

空間設計のために図面まで引いています。

チーム③:食品チーム

 どんな食品を提供するか、メニューの考案を担った班です。ウェルカムドリンクとしてオリジナルレモネードを出したり、巨大な肉を焼く担当として、当日の調理もメインで担いました。提供された料理の詳細は後編でお伝えします。

美味しそうすぎる。

チーム④:アクティビティチーム

 BBQの時間内で行われる様々なアクティビティを考案する班です。スイカ割りと、班ごとのピザ作りなどの企画を立案して進行してもらいました。実際に行われたアクティビティがどんな様子だったのかは、こちらも後編でお伝えしたいと思います。

ピザ作りの様子。詳しくは後編でお伝えします。
夏と言えばスイカ割り。

チーム⑤:総務チーム

 70人規模のBBQにもなると、企画立案や制作以外の業務も多く存在します。今回で言えば、招待状の送付(後述)や当日の受付、会場の注意事項の整理や、会計などを担いました。

参加者に最高の体験を届けるために

 各班が分担して担った業務の他にも、70人規模のBBQを成功させるために様々な戦略を立てて実行していきました。目的は「参加者に最高の体験を届けること」その観点から行ったのは、主に①UXデザイン ②招待状の送付・代ごとの声かけの2点です。順に見ていきましょう。

①UXデザイン

 UXデザイン(ユーザーエクスペリエンス・デザイン)は、製品やサービスを通じてユーザーが感じる体験全体を設計するプロセスのことを指します。
 UXデザインを行う大前提として、「BBQらしくないBBQ」にしようという思いがありました。せっかくやるなら単に肉や野菜を焼くだけではない、「dp9だけのイベントとしてのBBQ」にしたい。それから「世間一般のBBQ」のイメージに囚われすぎて、アイデアが偏ってしまうことを避ける意図もありました。
  今回のBBQでは、標準的な手法の一つである「カスタマージャーニー」を用いて、UXデザインを行っています。

UX設計の様子。

 「参加者がどのタイミングで、どういった体験をすることによって嬉しくなるか?」「『代の垣根を超えて交流するきっかけになる』というBBQの目標を達成するために、どういった体験が必要か?
 そうしたことを考えながら、「ジャーニーマップ」と呼ばれる表を作っていき、「やっぱ、初対面の人も多いから名札も欲しい」「参加者の代が分かるようなリストバンドがあったら良さそうかも!」などなど、体験を向上させるために必要なアイデアを出していきます。

実際に作成されたジャーニーマップの一部。
UX設計を受けデザインされた名札。シールとして印刷したあと、当日使用しました。

②招待状の送付・代ごとの声かけ

 「全代を集めてBBQをやる!」という目標から始まったものの、ただ声をかけただけでは上の世代が沢山来てくれるようにはなりません(しばらく離れていたサークルに行くのは、やっぱり心理的なハードルがありますよね)。ということで、「上の代に来てもらうための戦略」を立てて実行していきます。そのために取った戦略が「代ごとの声かけ」と「招待状の送付」の2つです。
 やっぱり、BBQに来るハードルを下げるには「あ、BBQに同期のあの人って行くんだ。じゃぁ私も行こうかな?」と思ってもらうことが大切です。ということで、先輩達に頼み込んでひたすら同期に向けてBBQの宣伝をしてもらいました。
 また同じ目的で、dp9が主に使っているコミュニケーションツールであるSlackで招待状を送付する企画も実施しました。

実際に送られた招待状。CSVをイラレに読み込むことで、参加者の名前を個別に記載する仕様です。
参加登録をすると、Slackに招待状が送られてきます。

 招待状が送付されることで「あ!この人もBBQに参加するんだ!」ということが伝わりますし、BBQ当日に向けてSlackが盛り上がっていく効果も生まれていました。

さぁ、準備は整った。

 さぁ、企画の走り出しから3か月。デザインした名札やリストバンドも届き、食品を調達するスケジュールまで綿密に計画済み。いよいよ、70人が集まるBBQ「Ignition!」の本番です。デザインサークルがここまで本気でデザインしたBBQ、しかも参加者70人超え。一体、どのような会になるのか?
 成功も失敗も色々あった波乱のBBQ本番の様子は、『デザインサークルが70人で本気のBBQをした話(後編)』でお届けします。デザインサークルが本気で作った大規模BBQの結末やいかに――。
是非、そちらも合わせてお読みください!

文:ピカリ(2023年入会)、K_Neko(2024年入会)


波乱のBBQ本編を描いた、続編はこちら!

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