僕の現時点の知識やスキルじゃなくて“やりきる力”の一点を買われました:『株式会社ドズル』 社員インタビュー<YouTube事業部:おこめちんさん>
ドズル社では現在、YouTubeのプロデューサーという職種を募集している。それにあたり、現在プロデューサーとしてドズル社チャンネルのパワーアップに邁進するおこめちん氏にインタビューを行った。
8年前からドズル氏と知り合いだったというおこめちん氏はどのようにしてドズル社に入り、いまどんな仕事をしているのか。興味深い話をたくさん聞くことができたのでご一読いただきたい。
※部署名や各制度、社員に関わる情報、チャンネル登録者数などの情報はインタビュー当時のものです(2024年4月:インタビュアー・文責 ponta)
前職では編集者をやりながら、eスポーツチームの監督をやっていました
――入社してから、どれくらいになりましたか?
おこめちん
入社したのが3月1日からなので1ヶ月半ですかね。
――ドズル社に入る前は、何をされていたんでしょうか?
おこめちん
最初が飲食業界で、次は広告代理店でした。広告代理店では、新規営業からクロージングまで一人で担当することで、BtoB(企業間取引)の基本を学ぶことができました。
――その次の職場は、ファミ通さんですよね。
おこめちん
はい。次の職場を探す時に、ずっと好きだったゲームの仕事に携わりたいなと思ったんですよね。でもゲーム業界に入るとなると、専門的な知識が必要じゃないですか。その中で、“ゲームが好き”っていうところだけをフックにできる仕事って何だろうって考えた時に、ゲームメディアの編集者という仕事が目の前にあったんです。
――求人サイトで見つけられたのでしょうか?
おこめちん
いえ、ちょうどそのころ、とあるゲームのプレイヤーとして活躍した結果、ファミ通からインタビューを受ける機会が何回かあったんです。
――スマホゲームの『クラロワ』でしょうか? 2016年ごろ『クラロワ』メインだったドズルさんがMCを務めていた大会で、おこめさんが選手として好成績を納めているのを拝見した記憶があります。
おこめちん
いえ、実は『クラロワ』の前にも、別ゲームでインタビューを受けてたりとかしてたんですよ。だからファミ通にはなじみがありました。
――別ゲームでもそれほど有名だったとは知りませんでした。なんでそんなに複数ゲームで飛びぬけることができるんですか?
おこめちん
多分、負けず嫌いなんですよね。ランキングがあるものとか、順位付けされるもので一番をとりたくなります。といっても、自分の好きなものでしか1位は狙わないかもしれないです。
――ファミ通さんではどんな仕事をされていたんですか?
おこめちん
ファミ通に入ってからの最初の1年間は、編集の基礎を学びながら記事の執筆や取材、たまに本を作るみたいな“THE・編集”という仕事をしていました。
――私事で申し訳ないのですが、私もおこめちんさんに声をかけられて商業ライターデビューをしました。そういう意味で、恩人です。
おこめちん
ライターさんを発掘したり、発注をしたり締め切り管理したりも大事な仕事でしたから。
――おこめちんさんといえばeスポーツチーム“FAV gaming”の監督の印象が強いです。それはどういう流れで任命されたんですか?
おこめちん
6年くらい前ですかね。eスポーツが社内外で盛り上がったタイミングがあって、そのとき会社で複数のeスポーツプロジェクトが立ち上げられました。その中の一つに“FAV gaming”のチーム運営があって、当時は格闘ゲームの『ストリートファイター』と『クラロワ』の2部門だったんですよ。私は社内で『クラロワ』が上手いとみなされていたので、監督に任命されました。
――監督をしてるときは編集の仕事はお休みをもらっていたんですか?
おこめちん
いえ、そんなに甘くないです(笑)FAV gaming 設立後、1年半くらいは編集業務をやりながらeスポーツチームの監督をやるみたいな2足のわらじをはいていて、その時期はすごくきつかったです。
――eスポーツチームの監督のお仕事って、選手選考とか作戦立案とかですか?
おこめちん
それもそうですが、実は当時から運営的なこともけっこう手掛けていました。選手のマネジメントはもちろんのこと、部署のコスト管理や、それに付随するクリエイティブな制作のディレクションだったり、イベント企画なんかもやっていました。
――ある意味、今の仕事につながるようなことを監督時代にしっかりやっていたんですね。
おこめちん
はい。クラロワの監督を辞めた後は、単独部署化したFAV gamingの全体運営を任されて、複数の部門のスタッフたちを管理していました。
――部署をまるまる任されるに至った理由はどこだと思いますか?
おこめちん
何ですかね。いろんなことに手を挙げ続けていたからかなと思います。
――積極性が高いんですね。FAV gaming時代の思い出深いイベントなど、教えていただけますか?
おこめちん
一番というと、去年の年末の“FAVCUP2023”ですかね。過去最大規模だったので、自分も卒業制作のような気持ちで臨みました。
――同時接続数も、教えていただけますか?
おこめちん
同時接続数は国内だけで最大3万5000ぐらいだったかと思います。グローバル配信も加えると5万人くらいはつきました。
――すごいイベントだったんですね。ぼんじゅうるさんも出られてましたもんね。
おこめちん
そうですね。ぼんさんのような配信者の方も盛りあげてくれつつ、どちらかというとグローバルのトッププロがメインのガチガチのeスポーツイベントでした。
YouTubeの知見についてはゼロスタートだったので、現在、仮説を立てて一つずつ課題を潰しているところです
――いま、おこめちんさんはドズル社では何をやってらっしゃるんですか?
おこめちん
僕のドズル社での一番重要なミッションとしては、“ドズル社のファンを増やす”というものがあります。そこに付随して、ドズル社の生放送イベント全般も、自分が担当してます。
――ファンを増やす、そのために生放送をする、なのでおこめちんさんがそこを担当しているということですかね。
おこめちん
はい。あとは各メンバーの個人チャンネルの全体統括ですね。PDCAの推進をしながら、各メンバーのチャンネルの目標を達成していくのがミッションです。個人単位でいうとドズルさんの個人チャンネルのプロデューサーも兼任でやっています。
――各チャンネルにプロデューサーがいて、おこめちんさんはその統括とドズルさんの個人チャンネルのプロデューサーってことですね。
おこめちん
そうですね。
――ところで、YouTubeチャンネルのプロデューサーってイメージが湧きづらいのですが、何をやるポジションなんですか?
おこめちん
プロデューサーは、わかりやすくいうとそのチャンネルの総責任者です。
――FAV gaming時代も先ほどお話していただいたFAV CUPのような生放送イベントをやってましたもんね。
おこめちん
いえ、あれとはまったく違っていて、僕はこのプロデューサーというポジションになったときに、ドズル社で活かせるようなYouTubeの知見がまったくなかったんですよね。ゼロスタートでした。なので、仮説を立てて一つずつ課題を潰しているところです。
――どのような施策を行ったんですか?
おこめちん
“ドズル社のファンを増やす”という目的のために、まずはYouTubeのトップ層と拮抗できるくらい視聴者さんと接触する時間を設けましょうという提案をしました。あとは視聴者さんに見に来てもらうための仕掛けの部分ですね。そこに関してはまだ継続的にテコ入れ中ではありますが、ドズルさんと定例を行いながらすり合わせている段階です。
――ほかの配信者さんにベンチマークを置いているんですね。
おこめちん
はい、いわゆるムーブメントを作り出す側の人だと僕が捉えている20名を定点でトラッキングしています。
――他にもどういうことを仕掛けられたんでしょうか?
おこめちん
あとは、生放送のコンテンツの規模って何のゲームをやるのかが大事だと思うので配信するゲームタイトルの提案もやっています。
――このインタビュー実施時、ドズルさんは『Backpack Battles』をやりこんでいるんですが、あれもおこめちんさんが提案されたんでしょうか。
おこめちん
はい。『Backpack Battles』の提案に関しては、戦略が7割、ドズルさんが好きそうだなっていうのが3割ですね。結局、配信者の方が楽しんでやれないといいコンテンツにならないなと思っているので、ゲーム選びの際はそこも配慮しています。
――ちょっと前には『Supermarket Simulator』をやってましたが、あれもおこめちんさんが関わっているのでしょうか?
おこめちん
そうですね。『Supermarket Simulator』も僕からの提案です。最近の日本って海外で流行ったゲームが1~2週間後ぐらいに流行るという傾向があるんですね。『Supermarket Simulator』に関しては、海外で流行ったタイミングでドズルさんにおすすめして、ドズルさんをアーリーアダプター的な位置にできたと自負しています。
――アーリーアダプターって、“流行に敏感で、新しい商品やサービスを早期の段階で受け入れる人たち”のことですよね。クールな印象があるし、ムーブメントの中心にいるポジショニングを戦略的に取ってもらえたのは大きいと思います。
おこめちん
はい。
――そういえば最近、ドズル社チャンネルのサムネイルもこれまでと変化を感じるのですが、あれもおこめちんさんと関係ありますか?
おこめちん
はい。僕はいま、ドズル社チャンネルにおけるマイクラ以外のタイトルのサムネもディレクションをやっています。今年はドズル社にとって別タイトルへのチャレンジが重要なテーマなので、魅力的なサムネを作ることでドズル社のマイクラ動画を好きな視聴者さんにも興味を持ってもらえればと考えています。
――なるほど。話を伺っていると、おこめちんさんはすでにドズルさんの秘書、軍師のような立ち位置にいると感じます。
おこめちん
いえ、軍師まではいかないです(笑)
――プロデューサー以外で何か手がけた業務はありますでしょうか?
おこめちん
そうですね。結構細かいことをいろいろやっています。例えば、会社の組織的なところの改善ですかね。契約書の不備がないように仕組みを変えるとか、これまでの既存のフローを正すようなことをすすめています。
――入社して2か月半で、バリバリやられていますね。
おこめちん
自分の強みとして、既存の仕組みにとらわれないで、違和感を感じたらすぐ改善に動くみたいなところはあるかなと思います。
――おこめちんさんの強みをさらに深掘りするとどんなところになりますか?
おこめちん
僕の強みは、さっきの既存フローの改善のように即行動に移すところですかね。あとは、障害を取り除きながらやりきる力です。課題があったら、その日に解決するぐらいのスピード感は心がけています。
――つまり、行動力と推進力が強みということですね。逆に、ここは自分の適正じゃないな、というところはどんなところでしょうか?
おこめちん
ルーティンワークみたいな単調な作業は苦手ですね。とにかく新しいことが好きですね。同じ場所のメンテナンス作業に対しては、そこまでモチベーションを感じないです。
僕のいま現時点の知識やスキルじゃなくて、そのやりきる力の一点を買っていたいただいた形です
――ただ意外に思ったのは、ドズル社に入るまでのおこめちんさんのキャリアは明らかにIP事業部向きなんですよね。YouTubeチャンネルのプロデューサーよりむしろ、ドズル社のコンテンツをBtoBで広げていくポジションにジョインするほうが自然に見えます。
おこめちん
はい。僕もIP事業部の方が、自分の現時点の持ってるスキルや知見を100%活かせると思っていました。もともと入社が決まった段階ではIP事業部のほうに入ることが決まっていました。
――それがなぜ、YouTube事業部になったのですか?
おこめちん
確か、入社1週間前のタイミングだったんですが、ドズルさんから「相談があります」とLINEが来ました(笑)
――1週間前に。
おこめちん
「色々熟考した結果、YouTube事業部で頑張ってもらいたいです!」と。「ドズル社が2024年にぶつかる壁を予測した時に、認知拡大が大きな課題になってきます」「その中で、既存のやり方の伸びが鈍化してると感じていてそこのゲームチェンジを行う必要があります」「そのために、イベントや生放送で熱気を作っていきたいです」「なので、僕と一緒にYouTube事業部でやりましょう」みたいなことを、言われました。
――なるほど。それは断れませんね(笑)それにしてもドズルさんはおこめちんさんのどんなところを買って、このミッションに向いていると判断されたのでしょうか?
おこめちん
それが最初分からなくて、僕自身、その話を聞いた時にちょっと自信がなかったんですよ。これまでYouTube領域を本業にしてなかったので。
――新領域ですもんね。
おこめちん
なので不安になって、「僕で大丈夫ですか?」とドズルさんに確認したんですよね。そうしたらドズルさんは、僕の“やりきる力”を買っているとおっしゃってました。僕の現時点の知識やスキルじゃなくて、そのやりきる力の一点を買っていたいただいた形です。
――おこめちんさんのこれまでのキャリアや実績をみても、やりきる力が備わっていることはわかります。
おこめちん
それであれば、ありがたいですね。
――ドズルさんとはもともと『クラロワ』時代から旧知の仲だったかと思いますが、そのころからおこめちんさんの仕事ぶりみたいなものはドズルさんに伝わっていたんでしょうかね。
おこめちん
確かにドズルさんとは、2016年くらいからお互い認知しあっていたって感じです。でも結局、僕が何をしてたかっていうのは別の会社なんで知りようがないと思うんですよね。なので、去年ドズル社への転職にあたってドズルさんと面接でお話しする中で、ピンと来るものがあったというところじゃないかと思います。
――おこめちんさんは逆に、どうしてドズル社に転職しようとか考えたんですか?
おこめちん
前職で実績をある程度積んで、転職を視野に入れたタイミングで、ありがたいことに複数社からお声がけをいただきました。その中でもドズル社が一番ワクワクしたんですよね。
――どこにワクワクされましたか?
おこめちん
一言で言ってしまえば、ドズルさんに対してですかね。ドズル社を国内屈指のIPにするっていうドズルさんのビジョンにちゃんとワクワクしたって感じです。あとは会社の規模としてまだそこまで大きくはない中で、そういう環境に身を置いた方が自己成長につながるんじゃないかという思いもありました。
会社のマインドや文化を重視して、なおかつそれを形骸化させないための工夫がされているところに驚きました
――ドズル社に入ってみて、驚いたことがあれば教えていただけますでしょうか。
おこめちん
ドズル社で驚いたこととしては、毎週全社員が集まる朝礼があるということですね。全社集会って、他の企業だと期に1回とかが多いと思うんですけど、ドズル社はそこを週一で実施していて、なおかつ重視しているという点にはびっくりしました。
――確かに、全社会議は珍しいですね。なぜその頻度で行われているのでしょう?
おこめちん
エンタメって、とくにYouTube業界って移り変わりが早いじゃないですか。それにあわせてドズル社が向かっていく方向とか、注力しなきゃいけない事ってどんどん変わっていくわけで、それをドズルさんが自分の言葉で、いちはやくクルーに伝える場が高頻度であるというのは理にかなってるのかなと思います。
――確かにそうですね。
おこめちん
あとは、ドズル社自体が完全フルリモートというのも朝礼の存在理由としてあると思います。朝礼でひとり一言ずつ、各個人がいま何を思ってるとか、何に頑張ってるとかみたいなところを共有する場があるのは、フルリモートの欠点を補うという意味で合理的だと思います。
――もしほかに、入社後にびっくりしたことがあれば教えていただけますか?
おこめちん
あとは、会社のマインドや文化を重視して、なおかつそれを形骸化させないための工夫がされているところに驚きました。
――どんな工夫がされていますか?
おこめちん
例えば、委員会制度とかはそうだと思います。
――委員会制度とは何ですか?
おこめちん
ドズル社は社員であるクルーが主体となって、社内イベントや働きやすさの向上を自分たちで補完する委員会制度というものがあります。上から一方的に伝えるのではなく、社員自身も考えて双方向で会社のマインドや文化を作っているところは驚きましたし、素晴らしいなと思いました。
――逆に、複数の会社を経験してきたおこめちんさんの目から見て、ドズル社の、今後まだまだ改善の余地があるなというところを教えていただいていいですか?
おこめちん
そうですね。評価制度だったり人事制度、教育制度みたいなところに関してはまだこれからかなと思っています。ただそうした点については、いま人事部が主導で早急な改善に動いています。
――現在、求人でYouTubeプロデューサーの募集をかけていますが、どういう人が向いていると思いますか?
おこめちん
まずは大前提としてエンタメが好きだっていうところですね。次に、事実に基づいた分析をしっかりできる方。あとはチームとしていろいろ動くことになるのでチームマネジメントができる方、そしてプロジェクトを推進できるようなエンジンを持っている方、あとはメンバーに伴走する形になるのでしっかりそこをリードできるみたいなところは必要かと思います。
――エンタメへの志向と、分析力、組織管理、行動力、そしてマネージャー的にメンバーへ向き合う力ですね。その中の特に“分析力”ですけど、どんな仕事も数字は重要か思いますが、ピックアップされたのはなぜでしょうか?
おこめちん
YouTubeって、視聴回数だったり同時接続数のような結果が、すぐに数字で出てくるんですよね。なので、感覚的に動くのではなく数字に基づいた仮説を立てて、戦略を立案しアクションに落とし込めるスキルは必須だと思います。
――ありがとうございます。逆に向いてない人は、どんな人でしょうか?
おこめちん
指示を待って働くのが好きな人は、ドズル社のマインドと合致しないのできついかなと思います。
――では最後に、ドズル社で働く“だいご味”について教えてもらえますか?
おこめちん
僕がドズル社で一番面白いなと感じているポイントは、150万人を超えるチャンネル登録者がいて、応援してくださるファンベースが既に確立しているってことですね。何か施策を打っても全然反響がないとか世の中にはざらにあると思うんですけど、ドズル社ってそこのベースがあるので、施策に対する反響も大きく、すごいやりがいになりますね。
――確かにドズル社はたくさんの人にコンテンツを届ける力がすでにあるので、やりがいもたくさんありそうですね!本日はありがとうございました。
おこめちん
ありがとうございました!
いかがだっただろうか。おこめちんさんはこちらのどのような質問にもよどみなく回答し、ふだんからの思考が深く、言語化能力が非常に高いことがうかがえた。
今回うかがったお話の中では、入社一週間前に所属部署が変更になったエピソードが特に印象的で、ドズル社のダイナミックかつスピーディな社風をよく表しているように思えた。
それに対して、自分で仕事を作り出し、すぐに価値を発揮しているのはさすがの一言であり、指示を待たず、自分から能動的に動く人こそがドズル社にフィットするとあらためて感じた次第である。
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