宇宙に輝く無数の星のような、本との出会いをお届けしたいと開業いたします。【当店の特徴】①銀河望遠鏡は、絶版になった古書や、いつの間にか版元で品切れになった古本を大事にして行きます。一方、巷に流通している本は、出来るだけ安価に提供させて頂きます。送料も実費、あるいは、まとめてお買い上げ頂くと割安、に設定しています。この、送料を出来るだけお安く、というのは最近とても増えていると聞く、無書町村(町や村に書店が無い、という意味の勝手な造語ですが)に本を届けるのは、ネット古書店の大事な役目のひとつになるのではないか、と思っているから、ということでもあります。実店舗の代わりにはならないとしても、少しでも補いたい。②また、銀河望遠鏡は「選書キュレーション」を導入します。* 当店から、「選書キュレーター」としてお願いした方々に、それぞれの視点・テーマなどから選書をして頂きます。 イメージとしては、銀河望遠鏡という古書店の中に、選書キュレーターの方々の本棚がある、という感じです。選ばれた本については、当店の在庫から、無い場合は何らかの方法で可能な限り入手して販売できるようにしたい、出来ない場合でも情報につなげたい、と考えています。 選書、と言う行為には、その人が現れるのではないでしょうか。 それはとても興味深く、面白いことですが、ご自身の内面を表出するデリケートな作業かも知れません。そんなお願いに快く応じて下さった選書キュレーターの皆さんの棚を是非味わい、楽しんで頂ければと思います。 なお、キュレーターの皆さんは段階的にお願いする予定で、選んで頂いた本がある程度揃ってから順次公開していく形になります。 更に、選書キュレーションについては、上記のようなキュレーターの方々にキュレーションをお願いするほか、例えば、「世界の10大小説」とか、「1990年代海外SFベスト30」のような巷に公開されたリストを参照することも含めたいと考えています。こちらも、面白い切り口の選書(?)と考えてお楽しみ頂けるのではないかと思います。 *キュレーション(Curation)とは、特定のテーマや基準に基づいて情報を収集・選別・編集し、新たな価値を付加して共有することだそうです。 キュレーションという言葉は、美術館や博物館などで展示品の企画・運営を担う「キュレーター(Curator)」という専門職に由来しています。ラテン語で「治す、世話をする」という意味の「curate」が語源で、もともとは「人の魂を預かる人」という意味で使われていました。③その他、本だけではなく、雑誌や映画などのチラシ、パンフレット、CD、DVD、Blu-ray、NPOこどもすぺーす柏の舞台観賞会のチケット、モノンクル惑生相談室の相談チケットなども扱います。こちらは、まだまだ本棚がある程度充実してから後のことになります。 * * * 以下は、開店にあたっての店主の思いです。お時間がある方はお読み下さい。 世紀末から2000年代に入り、インターネットが拓いた世界はそれ以前の知の世界を一新するかのようでした。無限の情報にいつでもアクセスできる可能な限り自由な知と楽しみの世界。近年は、更にAIの活用が実用段階に入り、今後の発展がまだ見通せないくらいです。ヴァーチャルに広がるネット空間にはなんでもあり、それだけでも十分過ぎるくらいだと感じる人が増えて来たのではないでしょうか? 確かにそれも一面の真実です。 しかし、その魅力があまりにも大きかったために、既存の価値が損なわれた一面もまたあったと言うべきではないでしょうか。21世紀の最初の10年が過ぎ、更にもう10年が過ぎた2020年あたりから、その損なわれた何か、失われたかも知れない何か、が気になってきました。 その何かを今、正確な言葉で表すことは、わたしには難しい。 ただ、「本」という存在、そのカタチ・モノとしての在り様の中には、その損なわれた何か、失われたかも知れない何か、の一端がまだ残っているかも知れない。そんな気もしています。だとしたら、その本を、本が持つ可能性を、再発見することが出来るかも、必要かも、知れない。 実は案外、若い人たちの中からも、そんな動きは始まっているような気もするのです。 全くたまたま手に取ったBRUTUS no.976 2023年1月号は、「それでも本を読む理由。」という特集でした。ぱらぱらとめくったページに、幅允孝という方が「鈍く考える」ために本を読む。と、書いていました。 スピードと効率を重視する世の中で、あえて時間の回転数を落とし、深く「鈍考」出来るのが、読書ではないか、というのです。 なんだか、その主張には響くものがありました。 銀河望遠鏡は、ささやかですが、そんな動きにも連動し、連綿と各時代、各地域の中で発行されてきた無数の本、その輝く星くずの中から拾い上げ、みなさんの元にお届けできたら、と考えています。 何分、個人営業で少しずつ進めているのが実態ですので、志はともかく、具体的な形にするのはある程度時間がかかってしまう筈です。申し訳有りませんが、そこはご容赦頂きつつ、どんな宝物が隠れているかわからない、訪れるのが楽しくなるサイトになるように努めます。どうぞよろしくお願い申し上げます。(店主・dozeu)
風の谷のナウシカ 全7巻 アニメージュ・コミックス・ワイド判/宮崎駿
ほぼ新品。巨大産業文明滅亡後1000年、人類はわずかに残された居住可能な土地に点在していた。「風の谷」の族長の娘ナウシカは、世界を再生すべく様々な試練に立ち向かい、ついには世界の真実へとたどりついて行く。一コマ一コマ緻密に描き込まれた絵と人類の生存を巡る普遍的なテーマ。宮崎駿監督が12年にわたり描き続けた本作は、世代を超えて読み継がれる不朽の名作!月刊「アニメージュ」に連載され、スタジオジブリ長編アニメーション映画「風の谷のナウシカ」の原作となった、コミックス全7巻のセット。宮崎駿監督の水彩画「トルメキア戦役」で彩った美麗な特製箱入り。映像化されたストーリーは、このコミックスのおよそ2巻目まで。映画では語られなかったその後の世界や、ナウシカの活躍を知ることができます。
¥3,000
言語の本質-ことばはどう生まれ、進化したか/今井むつみ、秋田喜美
2023年6刷り。中公新書版。定価960円+税「新書大賞2024」第1位!アジア・ブックアワード2024「最優秀図書賞」(一般書部門)受賞23万部突破! 称賛の声、続々!「本書を読んで以来、世界のすべてが言語に見えてしまっている。困った(いや、助かった)。」小川哲さん(作家) 読売新聞・書評欄「言語の本質は、私の目指す生き方の本質と繋がった。」橋本愛さん(女優) 週刊文春・私の読書日記「本書はむちゃくちゃ面白いうえ、びっくりするほどわかりやすい。単純化しているのではなく、ひたすら明晰なのだ。」高野秀行さん(ノンフィクション作家) 産経新聞・書評欄「この本はすごい。本当に画期的だと思います。オノマトペ研究をベースに言語と身体のつながりに向かっていくのですが、本書の議論と脳科学、あるいは精神分析をどうつなぐかとか、いろいろな思考の可能性が広がってきます。」千葉雅也さん(哲学者)■本書の内容■日常生活の必需品であり、知性や芸術の源である言語。なぜヒトはことばを持つのか? 子どもはいかにしてことばを覚えるのか? 巨大システムの言語の起源とは? ヒトとAIや動物の違いは?言語の本質を問うことは、人間とは何かを考えることである。鍵は、オノマトペと、アブダクション(仮説形成)推論という人間特有の学ぶ力だ。認知科学者と言語学者が力を合わせ、言語の誕生と進化の謎を紐解き、ヒトの根源に迫る。■本書の目次(一部抜粋)■はじめに言語という謎/記号接地という視点/言語の抽象性――アカを例に/言語の進化と子どもの言語習得の謎第1章 オノマトペとは何か「オノマトペ」の語源/オノマトペの定義/感覚イメージを表すことば?/写し取っている記号?/オノマトペは「アイコン」/オノマトペの写し取り方アイコンと違う点/まとめ第2章 アイコン性――形式と意味の類似性単語の形のアイコン性/音のアイコン性――清濁の音象徴/続・音のアイコン性その他の音象徴/発音のアイコン性――角ばっている阻害音、丸っこい共鳴音/赤ちゃんにもわかる音象徴/聾者の音象徴感覚/発音の仕方でアイコン性を高める/ジェスチャーでアイコン性を高める/オノマトペの脳活動/音象徴の言語個別性/日本語の音韻体系――ハ行、バ行、パ行/韓国語とポーランド語の音韻体系/他言語のオノマトペは理解可能か/音象徴の使い方は言語間で異なるのか/まとめコラム1 主食は「パ」「バ」「マ」「ファ」「ワ」第3章 オノマトペは言語か言語の十大原則とオノマトペ/音声性・聴覚性/コミュニケーション機能/意味性/超越性/継承性/習得可能性/生産性/経済性――言語になぜ経済性が必要か/続・経済性オノマトペと経済性原理/離散性/恣意性/二重性/まとめ第4章 子どもの言語習得1――オノマトペ篇子どもが小さいほどオノマトペを多用する/絵本の中のオノマトペ/オノマトペは言語の学習に役に立つのか/音と形の一致・不一致がわかるか/ことばの音が身体に接地する第一歩/名づけの洞察――ヘレン・ケラーの閃き/クワインの「ガヴァガーイ問題」/単語が多義であることも学べる/オノマトペは言語学習の足場/まとめ第5章 言語の進化言語の理解に身体性は必要か/永遠のメリーゴーランド/AIは記号接地問題を解決できるのか/一般語と身体性/音と意味のつながり/隠れたオノマトペ/オノマトペと日本語の方言/なぜ言語・地域固有性があるのか/なぜオノマトペから離れたのか/ニカラグア手話――アナログからデジタルへの進化/事象を要素に分割して結合する/デジタル化するオノマトペの音象徴/意味の派生によってアイコン性を失う/脳の情報処理と言語/オノマトペが苦手な概念/言語の体系性/副詞>スル動詞>一般動詞/英語にオノマトペの体系がない理由/恣意性からアイコン性への回帰/「アイコン性の輪」仮説/オノマトペの歴史/まとめ第6章 子どもの言語習得2――アブダクション推論篇ガヴァガーイ問題再び/一般化の誤り――かわいい事例から/「ポイする」/オノマトペを疑う/最強のデータベース、身体を持つロボット/ニューラルネット型AI――ChatGPT/記号接地できずに学べない子どもたち/ブートストラッピング・サイクル/名詞学習/動詞学習/動詞のエッセンスへの気づき/記号接地問題の解決/知識を使う力/演繹/推論、帰納推論、アブダクション推論/ヘレン・ケラーとアブダクション推論/帰納推論による言い間違い/アブダクション推論による言い間違い/誤りの修正/まとめコラム2 子どもの言い間違い第7章 ヒトと動物を分かつもの――推論と思考バイアスチンパンジー「アイ」の実験/非論理的な推論/動物はしない対称性推論/対称性推論のミッシングリンク/ヒト乳児の対称性推論/チンパンジーの反応/「クロエ」とアブダクション推論の萌芽/人類の進化/まとめ終 章 言語の本質本書での探究を振りかえる/AIとヒトの違い/今井・秋田版「言語の大原則」あとがき/参考文献
¥560
人新世の「資本論」/斉藤幸平
2021年7刷り。集英社新書版。定価1020円+税【「新書大賞2021」受賞作!】人類の経済活動が地球を破壊する「人新世」=環境危機の時代。気候変動を放置すれば、この社会は野蛮状態に陥るだろう。それを阻止するには資本主義の際限なき利潤追求を止めなければならないが、資本主義を捨てた文明に繁栄などありうるのか。いや、危機の解決策はある。ヒントは、著者が発掘した晩期マルクスの思想の中に眠っていた。世界的に注目を浴びる俊英が、豊かな未来社会への道筋を具体的に描きだす!【各界が絶賛!】■佐藤優氏(作家)斎藤は、ピケティを超えた。これぞ、真の「21世紀の資本論」である。■ヤマザキマリ氏(漫画家・文筆家)経済力が振るう無慈悲な暴力に泣き寝入りをせず、未来を逞しく生きる知恵と力を養いたいのであれば、本書は間違いなく力強い支えとなる。■白井聡氏(政治学者)理論と実践の、この見事な結合に刮目せよ。■坂本龍一氏(音楽家)気候危機をとめ、生活を豊かにし、余暇を増やし、格差もなくなる、そんな社会が可能だとしたら?■水野和夫氏(経済学者)資本主義を終わらせれば、豊かな社会がやってくる。だが、資本主義を止めなければ、歴史が終わる。常識を破る、衝撃の名著だ。【おもな内容】はじめに――SDGsは「大衆のアヘン」である!第1章:気候変動と帝国的生活様式気候変動が文明を危機に/フロンティアの消滅―市場と環境の二重の限界にぶつかる資本主義第2章:気候ケインズ主義の限界二酸化炭素排出と経済成長は切り離せない第3章:資本主義システムでの脱成長を撃つなぜ資本主義では脱成長は不可能なのか第4章:「人新世」のマルクス地球を〈コモン〉として管理する/〈コモン〉を再建するためのコミュニズム/新解釈! 進歩史観を捨てた晩年のマルクス第5章:加速主義という現実逃避生産力至上主義が生んだ幻想/資本の「包摂」によって無力になる私たち第6章:欠乏の資本主義、潤沢なコミュニズム貧しさの原因は資本主義第7章:脱成長コミュニズムが世界を救うコロナ禍も「人新世」の産物/脱成長コミュニズムとは何か第8章 気候正義という「梃子」グローバル・サウスから世界へおわりに――歴史を終わらせないために【著者略歴】斎藤幸平(さいとう こうへい)1987年生まれ。大阪市立大学大学院経済学研究科准教授。ベルリン・フンボルト大学哲学科博士課程修了。博士(哲学)。専門は経済思想、社会思想。Karl Marx’s Ecosocialism:Capital,Nature,and the Unfinished Critique of Political Economyによって権威ある「ドイッチャー記念賞」を日本人初歴代最年少で受賞。編著に『未来への大分岐』など。
¥400
砂漠の惑星/スタニスワフ・レム
昭和54年3刷り。ハヤカワSF文庫版。定価320円。 6年前に消息をたった宇宙巡洋艦コンドル号探素のためく砂漠の惑星>に降りたった無敵号が発見したものは、異星の地に傾いでそそりたつその船体だった。生存者の姿は見あたらない。船内が混乱をきわめているにもかかわらず、不思議なことに攻撃を受けた形跡はなく、さまざまな防衛手段は手つかずのまま残されていた。果てしなく続く風紋、死と荒廃の風の吹き抜けていく奇怪なく都市>、偵察機を襲う<黒雲>、そして金属の<植物>一探検隊はテクノロジーを駆使して異星を探査したが……。レムが異星における人間を描き、科学的認識の絶対視に疑問をなげかけた問題の書!
¥680
緑の館 熱帯林のロマンス/W.H.ハドソン
1988年5刷り。岩波文庫版。定価600円故国の政争をのがれて冒険に身を投じた青年アベルと野性の美少女リマが、南米ヴェネズエラの神秘に満ちた密林でくりひろげる悲恋の物語。『ラ・プラタの博物学者』で有名なイギリスの作家ハドソン(1841-1922)の名を世に出した作品で、物語からあふれでるロマンチシズムの香りは、読む人すべてを酔わせずにはおかない。〈銀望コメント〉案外知られていない気もするが、オードリー・ヘプバーン主演で映画化されている。共演はアンソニー・パーキンス。監督がオードリーの当時の夫で、俳優でもあったメル・ファラー。結果的にこの作品は評判を得ることが出来ず失敗作と見做された。メルの甘い演出が確かに残念だったが、オードリーとトニー・パーキンスという銀望店主にとっては最高の組み合わせが実現した映画で、もっと知られて欲しい。
¥680