サラバ! 物欲 <6>最終 (創作大賞 お仕事小説部門)
サラバ! 物欲。
そろそろ出勤する時間だ。
あらかじめ決めておいたシャツ、パンツ、ジャケットを衣装ケースから引っ張り出して、急いで袖を通す。この3つのセットは長らく着用している。大のお気に入りだ。
僕は少し気分を高揚させると、自室からリビングを経て玄関に行く。スニーカーも服の色合いによって決めて、シューズクロークから1足出した。かつてこの場所は、僕のスニーカーで半分以上を占拠していた。ここが自分のテリトリーだと言わんばかりに。それが時を経るごとに、僕のスニーカーが減り、子ども