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ちば在宅医療ことはじめ~まなぶ、つながる、うごく~ 第6回:9月25日(水)
2024年9月24日(水)にオンラインにて、ちば在宅医療ことはじめ第6回目の講義を行いました!
①在宅医へのキャリアチェンジと開業奮闘記:小林真史先生
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千葉生まれ、千葉育ちで、2009年に千葉大学医学部を卒業し、千葉大学医学部附属病院小児外科に入局いたしました。2018年からは千葉県内の在宅療養支援診療所にて常勤医として副院長、診療部長などを拝命されながら、10か所を超える在宅療養支援診療所で見学・研修をさせて頂きました。これからも千葉の医療に貢献していきたい気持ちで、2021年7月に千葉市にゆかりホームクリニックを開業いたしました。
小林先生には①どのようにキャリアチェンジを行ったかと、②開業の際に意識したポイントについてお話いただきました。
1. どのようにキャリアチェンジを行ったか
元々小児外科を行っていた際に、小児在宅医療という分野があることを知りそれに興味を持ち、複数の在宅療養支援診療所を見学して良い上司との出会いもあったことから転職を決めたとのこと。開業を考えている方への助言として、まずは在宅療養支援診療所の常勤勤務から始めるのがおすすめで特に居宅・重症患者の割合が多く、オンコールの経験ができる在宅療養支援診療所を選ぶとよいそうです。またその他の点として開業前に制度の勉強をすることと様々な経営者の話を聞くことも開業後非常に役に立ったとのことでした。
2. 開業の際に意識したポイント
ゆかりホームクリニックでは開業初月から初診患者数50人、年間がん看取り数千葉県1位と開業当初から順調に患者さんを獲得したとのこと。また開業準備で大変だったこととしては、8か月間の準備期間があったが物件が2件決まらず予定が後ろ倒しになる、開業数日前にそれまでお世話になっていたコンサルが退職するなどの当初の予定から1か月遅らせての開業となったそうです。開業準備期間としては一般的には6〜8か月が想定されるそうです。
開業にあたって物理的なハードルだけではなく、それに基づく経済的、精神的なチャレンジについてもお話しいただきました。これから開業を考えていらっしゃる医療従事者の方にとっては臨場感あふれる、今後の道筋をイメージできる講義だったと思います。
②在宅における緩和ケア:中村明澄先生
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2000年3月東京女子医科大学卒業。東京医療センター総合内科、筑波大学総合診療科の研修後、2012年より訪問診療に従事。2017年11月千葉県八千代市で向日葵クリニック(在宅緩和ケア充実診療所)開業。向日葵ナースステーション(訪問看護ステーション)・メディカルホームKuKuRu(緩和ケア専門施設)を併設。病院、特別支援学校、高齢者の福祉施設などで、ミュージカルを上演するNPO法人キャトル・リーフも理事長として運営。著書:「在宅死」という選択(大和書房)・在宅医が伝えたい「幸せな最期」を過ごすために大切な21のこと(講談社)
中村先生には①終末期における選択についてと②緩和ケアの実際についてお話いただきました。
1. 終末期における選択について
在宅における意思決定ではその人らしい選択ができることが重要とのことでした。医療者が良いと思うことと患者さん・家族が良いと思うことは必ずしも同じではないことを意識して、患者さんが自分の価値観を意識できることが大切とのこと。また治療の時期によって過ごしたい場所が違うこともわかっています。人生の最終段階における医療ケアに関する意識調査(令和4年度 厚生労働省)では約3割の人が医療やケアを自宅で受けたいと思っており、約4割の人が最後を自宅で過ごしたいと考えているそうです。また、5割の人は医療・ケアを受ける場所として医療機関を希望しており、必ずしも在宅を望む人ばかりではないことがわかります。
2. 緩和ケアの実際
アセスメントが最も重要とのことでした。主観と客観をどちらも取り入れることが大切で、特に客観的評価としてご家族をアセスメントしご家族が患者さんのことをどのように捉えているか把握することが必要だそうです。また具体的に疼痛コントロールやせん妄、食欲低下等緩和ケアをする上での実践のフローについてもお話いただきました。
終末期の選択について客観的な事実と患者さんを支援する実践方法について具体的にどのように行動すべきかがわかる講義でした。現場で難易度の高いコミュニケーションを行う際は先生の講義を振り返りたいです。
最後に先生方におすすめ頂いた本はこちら。
小林先生:訪問診療マネジメントガイド
中村先生:スピノザの診察室
小林先生、中村先生、有意義な講義をありがとうございました!
ちば在宅医療ことはじめ
公式HPはこちらです!