指でおしゃべり 高松市で
高松市で指談をもっともっと知ってもらおう、と香西めぐみさんが手を挙げて お仲間と4月6日の会を企画してくれました。もう二週間余り前のことなのに濃くて素適な時空間をなかなかテキストにできませんでした。
その会のきっかけになったのは今年の 1月7日に高松市で開かれたドキュメンタリー映画「しあわせの森」上映会と山元加津子さんの講演の会でした。
めぐみさんがスタッフをしていて、終了後に自閉症のJ くんとお母さんを私に紹介し、言葉のないように見えるJ君と指でおしゃべりをしたら J君はまぶたを閉じて目を下に向けるか、上に向けるかでYESかNOかの思いが伝わることがわかりました。
目の前で言葉が出ないと思われたJ君とのコミュニケーションの可能性を見たことで「もっと白雪姫プロジェクトや指談をみんなに知ってもらわにゃならん!!」とめぐちゃんにスイッチが入った瞬間でした。
実はめぐみさんは10年前に倒れて身体が不自由になっているご主人のお世話をしています。たまたま前日に痙攣で緊急搬送されたご主人がそのまま入院となって1月の上映会スタッフができることになり、私と講演会場で会えたのでした。
めぐちゃんは日程を決めてfacebookで指談についてたくさん投稿してくださり、当日は30人を超えるみなさんが参加され、兵庫県から3時間半かけて勇者さくやさんも参加されることに。
個別の指談のお申込の方の中に公開でも大丈夫、と言ってくださる方がいらっしゃって実際の様子を参加されたみなさんに知ってもらえました。
今回は20代でつい最近、高松のシェアハウスに引っ越したばかりのイサムさんとお母さんが会の中での指談を参加された方に見てもらえました。
事前にメッセージをいただいて、イサムさんは重度の自閉症、知的判定不能ということでしたが、イサムさんとのの指談の後での変化と彼が数歳年下で思春期のこう君との音の無い対話でこう君が落ち着く様子が凄かったです。
その他にも小学生のS君とのご家族だけでの指談はできることがたくさんあって、発語はなくてもいろいろを理解していることが伝わりました。
小学生のさきちゃんとの指談も会の前にしました。さきちゃんのYES、NOの仕草を見つけるところからです。首を左右に振るのはイヤ、とかNOではないことがうかがえました。お出かけでは 景色を見下ろせる山の上に行きたい、と教えてくれます。
どんな障がいがある人も、意識が無いと言われても、私たちは平らかな存在でありたいしそのことで 音の無い対話、指談や筆談が成立するのだと思います。
兵庫県からの勇者さんのさくやさんはすでに
指談のベテラン。
2歳から指談でお話をしてきたさくやさんは今10歳、会場のみなさんに◯と✕を体感するモデルになってくれました。
指先だけでなく、とびきりの笑顔でも思いを教えてくれます。イヤ!という声も出せるようになったそうです。
落ち着いて心の耳を澄ますこと、あなたも私もこのままでオッケーという平らかな心でいること、そしてあなたの思いを教えてもらってもいいですか?と指のおしゃべりを始めます。
言いたくないこと、答えたくないことは伝わりません。
今回はたくさんの指談の動画を撮ってもらいました。
ご家族とご本人の了解をいただき、公開しています。