ゆたかさってなんだろう

私は小さな頃から

兄に執拗にいじめられていた。

両親の目を盗んで行われるそれは、

思い返すのも嫌なくらいに

卑劣だっらたのだけれど、

今私は兄を恨んではいない。

それはきっと両親が私を

たくさんの愛を持って育ててくれたからだと思う。

ゆたかさってなんだろう。

きっと人を恨むことではない。

自分を否定することでもない。

じゃあどうやって私は

今日までその豊かさを手に入れて来たんだろうって

改めて思い返してみたら、

私の人生には、

たくさんの友達や恋人や

両親との楽しい思い出が溢れている。

嬉しいこと、楽しいこと、

悲しいこと、辛いこと、

それらはいつも並行して

生活の中にある。

辛いことを避けて、

楽しい事だけ身の回りに置こうとすれば、

それでよいのかな。

いや、そうじゃない。

辛いことも悲しいことも、

心で消化してきたからこそ、

楽しいことは倍になる。


私は35歳の時に

原因不明のパニック障害という病気に見舞われた。

これがまたとても厄介な病気で、

最悪の発作の時には

全身が硬直して死んでしまうんだという

普通なら感じることのない最恐の恐怖というものを体感する。

だから私は今まで何十回と死んでいる。

というか死の恐怖を

生きながら何度も感じないといけないと言った方が正しいか。

これは死より恐怖なのだ。

だって死ねないのだから。。

死ねたら恐怖からは開放されるはずが、

生きているのだから。。

こんな理不尽なこともそうそうないだろう。

これならまだ、いじめられている方がマシなのだ。

いじめられているだけなら、

遠くに逃げれば解放されるし、

大人なら、何かしら逃げる方法は考えつく。


そんな風に何十回と死んだもんだから、

普段は幸せを人の何倍も感じられているんじゃないかと思う。

ゆたかさってなんだろう。

ただそこにある、

普通の日常が、

家族が、

友人が、

恋人が。

私の豊かさだと実感しています。

#豊さって何だろう



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