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『東京には魔物が潜んでおります。』

いかがお過ごしでしょうか。

〜以下漫画『ソラニン』より〜

「大人とは、「まあいいや」の連続である。お腹が出てきてもまあいいや。鼻毛が出ていてもまあいいや。捕まらなければまあいいや。」

どうやら、東京には魔物が潜んでいるらしい。東京に住むという選択肢をあえて真っ先に捨てた僕にはその実感はないのか。いや、きっと、ある。
東京に魔物が潜んでいるという言葉は、東京に移り住んだ人間の感想だ。過去の栄光、未来の不安、現在の自分。ひとりの時間が多くなるのに伴って、人は考える時間が多くなる。と、どこかで聞いたことがある。家族から離れ、旧友から離れ、慣れ親しんだ土地から離れた人は、ひとりを感じやすくなる。だから自然と考える時間が多くなる。
家族や友人、地元から離れた先として、東京は選ばれやすい。だから東京は、ひとりの場所。街に出ればこんなにも人がいるのに、ひとりの場所。部屋にひとり、大人になるための色々と、戦わなければならない。戦う。その、見えないナニかと戦わなければならない。あえて見えないナニかに名前をつけるならば、「魔物」くらいがちょうどいいのだろう。

京都にはナニが潜んでいるのだろう。

僕はやっぱり、少年漫画が好きです。主人公が強くなっていく姿に胸を打たれます。生きる伝説のような師匠に出会って、数年後、圧倒的な強さを備えて帰ってくる展開が好きです。
それ以上に、人外を手懐けて、力を借りる展開が好きです。ある漫画では生まれたときにお腹に封印をされ、ある漫画では契約を結ぶ。完全に「魔物」的見た目の「力」を操れるようになったとき、主人公はまたひとつ、パワーアップするのです。

東京には魔物が潜んでおります。


【参考文献】
『ソラニン』 著者・浅野いにお

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